短編小説 ありのママ

強敵あらわる

第49話 美姫さんvs強敵

今日は、遠足だ。動物園に行く。お天気も晴れて、とても楽しみだ。

実は、少し前に美姫さんがそろそろ動物園に行けるか試してみたらしいけど、まだダメで、美姫さんが入り口に入ろうとした時、動物たちがやはり騒ぎ出した。*1

だから、美姫さんは動物園には行けないという事だ。

それから、美姫さんは観念したのか遠足の話題には一切触れなかった。
一切触れないのも怖い気はするんだけど……。

遠足の当日、「行ってきます。」僕は家を出て学校に向かう。

「行ってらっしゃい。」美姫さんは、いつも通りに学校に送り出してくれる。

学校に行き、みんなでバスに乗って動物園に向かう。

動物園は美姫さんとは来たことがないが、お父さんとは何度か来たことがある。
クラスメートと動物を見て回ったが、昼間の動物は寝てばかりの動物が多かった。

「寝てばっかりだなー。」と一緒に回っていたクラスメートが言う。
「起きればいいのにねー。」と僕は何も考えずに答える。

それから、クラスメートと動物を見ながらあーだこーだ言いながら楽しく園内を見て回る。お父さんが作ってくれたお弁当も食べ終わったころ、急に動物たちが元気になってきた。

「あっ、動物たちが起きたね。」とクラスメートが嬉しそうに言う。
さっきまで寝ていた動物が急に起きていて動きも活発になっていたから、面白かった。

休みの日におばあちゃんちに行ってその話をした。

「ショウくん。遠足はいつだったの?。」とおばあちゃんが聞く。
「先週の金曜日だよ。」と僕が言うとおばあちゃんの顔色が変わった。

そして「まさおくん。ちょっとこっち来て。」とおじいちゃんを呼び出した。
おじいちゃんは、明らかに動揺していた。
目を何度もパチパチさせながら、おばあちゃんを見ている。

「そこ、座って。」とおばあちゃんは、リビングの床の上におじいちゃんを正座させた。そして「心当たりがあるよね。」と一言いう。
おじいちゃんの目が泳ぐ。

「しちゃダメって言ったよね。」とおばあちゃん。「だって、美姫さんが……。」とおじいちゃん。「はぁ?。美姫が、関係してるの?。」とおばあちゃんは、おじいちゃんに事の真相を聞き、美姫さんに電話をし始めた。

遠足の話がどんどん大きくなっていっている。
しばらくして、不機嫌な美姫さんがやってきた。

二人でリビングに正座をさせられて、おばあちゃんに怒られる。
「美姫、美姫はまさおくんが自分の遠足についてきた時、嫌がったよね。」とおばあちゃん。

「はい。」とシュンとしながら美姫さんは答える。
「自分が嫌だったことを自分の子どもにしてもいいの?。」とおばあちゃん。
「ダメだとおもいます。」と美姫さん。

「わかってるんだったら、しない。二人ともショウに謝りなさい。」とおばあちゃん。
おじいちゃんと美姫さんが僕に向かって「ごめんなさい。」と謝る。
僕は、動揺する。「あっ、別にいいよ。」と言うのが精一杯だった。

なんで、おじいちゃんと美姫さんが怒られたかって?。自分で動物園に行けない美姫さんは、おじいちゃんに代わりを頼み、おじいちゃんが僕の遠足を見にきていた。その時に僕の『おきればいいのにねー。』発言を聞いたおじいちゃんが美姫さんに報告して、美姫さんが動物園に近づいたというわけだ。(動物が興奮し過ぎないように、徐々に近づいたみたいだけど。)

まぁ、遠足で動物が起きてくれたから、僕的には問題なかったんだけどね。
美姫さんが、シュンとしている姿は初めて見た。

あの後おばあちゃんは、急に笑い出して「でも、美姫が、私と同じ事してるとは思わなかった。私もあの動物園には未だに近づけないんだよね。世代交代してると思うんだけど、遺伝子に組み込まれちゃったのかな。」とおばあちゃん。

おばあちゃんも動物に威嚇したの?

おわり

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