第126話 美姫さんvs2000万円問題
将来の年金が足りないとテレビのニュースで言っていた。
パッと美姫さんを見る。
……絶対に考えてないな。と僕は思いながら美姫さんに聞いてみる。
「美姫さん、将来のお金の事とか考えてるの?」と僕。
すると、美姫さんがニンマリとし、
「ショウ。私、策士だよ。ちゃんと考えてるよ。」と美姫さん。
僕は、ビックリする。いつもボーっとしてるけど、やる時はやるんだな。
「えー。凄いじゃん。」と僕が言うと
「まあね。まぁ、見てて。」と美姫さん。
は?見てて?
美姫さんは、おもむろに立ち上がり
「♪よーく考えよー♪。お金は大事だよ~♪」*1と歌いだし、振り付けまでしてくれた。
僕は、あ然とする。意味が分からない。
僕がキョトンとしていると
「もう一回しようか?」と美姫さんは言い、僕の返事も聞かずに
「♪よーく考えよー♪。お金は大事だよ~♪」と振り付けし歌った。
ようやく、僕は冷静になる。
「いやいや、そういう意味じゃなくて。」と僕が言うと
「あぁ、分かった。」と言い「金は天下の周りものだから、大丈夫。」とドヤ顔で美姫さんは言った。
「いやいや、そうじゃなくて。」と僕は激しく頭を振る。
「じゃぁ、明日は明日の風が吹く。」と美姫さん。
「全然、考えてないじゃん。」と僕が言うと
「策士策に溺れるか……。」と美姫さんは言った後、少し考えて「あぁ、そうだ。大丈夫。私には優秀なブレインがおりますので。」と美姫さん。
「それって、もしかしてお父さん?」と僕が聞いたら
「よっ、ご名答!!私は、ブレインに絶対の信頼を置いてますから。」と美姫さんは言った。
やっぱり全然考えてないや。
「美姫さん、お父さんがいなくなったらどうするの?」と僕が言うと「たんまりと保険金がおりてくるようになってますから。」と美姫さん。
聞いたのが、間違いだった。
おしまい