短編小説 ありのママ

美姫さんが女子高校生だった日もあるのです part④-女子高校生でも美姫さんは美姫さん―

初めて読む方は

ありのママ 第6話 【美姫さん高校生編①】 – fic-tion’s diary フィクションの創作日記

第6話 美姫さんの高校時代 partⅣ

女子高校生に駆け寄った広瀬さんは、その女子高校生の顔を見た。

美姫だ。“他人の空似?”ともう一度見る。やっぱり美姫だ。

顔を手で覆いながら泣いている女子高校生は、顔を覆っている指の隙間からそっと広瀬さんを見る。目が合った。やはり絶対に美姫だ。広瀬さんは確信をした。しかも嘘泣きだ。

美姫さんは、嘘泣きしながら周りの人たちに「大丈夫です。ありがとうございます。」としおらしく話している。

「あっ、私たちが病院に連れて行きます。」と広瀬さんが言うと、集まった人たちは去っていった。

人がいなくなったのを見計らって、美姫さんは携帯電話をカバンから取り出し「お迎え、よろしく。」と電話をかけた。そして「じゃぁ。」といい帰っていった。

啞然となる広瀬さんたち。友達の一人が「あの子、斉藤さんだよね。」と言った。他の子も「私もそう思った。でも、制服が違ったでしょ。」と首をかしげる。

「他人の空似じゃない?。美姫では無かったよ。制服も違ったし。」と広瀬さんが慌てて否定する。今の出来事を見て“美姫だった”とは言えない。

「結花(広瀬さんの名前)がそういうなら違うのかもね。私たち、斉藤さんの事あまり知らないし。制服もちがったしね。」と皆がウンウンと言いながらうなずく。「それにしても、あの子、不思議だね。」と言い出した。

確かに目の前で不思議な事が起こった。その後、広瀬さんが美姫さんに話を聞こうとしても「他人の空似じゃないのー。人の顔を間違えるなんて失礼だよ。」と笑いながら言った。

でも、その事件の後からあの自転車のおじさんを見ることは無くなった。
広瀬さんは、寝ている美姫に「姫の気まぐれってとこですかね。」と言った。

おわり

※この短編小説ありのママはほぼフィクションです。登場人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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