短編小説 ありのママ

普通ってなんですか

第30話 美姫さんvs普通

美姫さんは、“普通”という言葉が大嫌い。

テレビでコメンテーターの人が「普通は~ですよ。」と話しているのを聞くと、ものすごく怒る。

「ねぇ、普通ってなに?。」と美姫さんが怒った様子で僕に聞く。
「普通って、平均的なって事じゃないの?。」と僕が答えると「平均的ってなに?。」とさらに突っ込んだ質問をする美姫さん。

「平均的は平均的だよ。みんなの意見で一番多かったものかな?。」と僕が答えると「それは、多数決でしょ。」と美姫さん。

わかっているなら聞くなよーと思う。

「じゃぁ、みんなの意見のだいたいの共通点。」と僕が言うと「みんなって誰?。」と言い出す美姫さん。

「そこら辺りにいる人を無作為に選んだんじゃないの?。」と僕が答えると「どうやって無作為に選べるのよ。もしその道を歩いている人がお笑い芸人のファンだったら、お笑い大好きよりの意見になるじゃない。」と美姫さんは言う。

「でも、道を歩いている人がそんなにお笑い芸人のファンって事はないんじゃないの?。」と僕が言うと「お笑いのライブに行く途中とかお笑いライブの帰り道だったら、大概ファンじゃないの?。」と美姫さんは言い返す。

うーん。そうだね。でも、それって屁理屈じゃないのかな。

「ショウは、自分が普通って思わない?」と美姫さんが聞いてきた。「うーん。自分は普通だと思うよ。」と僕。「私だって、私は普通だと思うもん。」と美姫さん。

えっ?!。美姫さん、自分の事を普通って思ってたの?!。

驚いてる僕に「私、普通だよ。」と美姫さんが言ってきた。

美姫さんは、普通って言ったら普通だし。普通じゃないって言ったら普通じゃない。

「でも、何で美姫さんは“普通は〜”って、テレビの人が言うのが嫌なの?。」と僕が聞くと「“普通は〜”って言われてる事に、自分が全然当てはまらないから。」と美姫さん。

美姫さんは、今日もテレビに叫ぶ。

「普通って何よ!。あんたは、世界の中心か!。」

美姫さん、あなたも世界の中心ではないよ。

普通って本当に難しい。

おわり

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