第35話 美姫さんvsエイプリール
今日は、エイプリルフールだ。
美姫さんの大好きな行事だ。
結婚記念日も「ジャンケンに負けた記念を祝いたくない*1。」、バレンタインデーは「お菓子会社の陰謀だ(自分が貰う立場じゃないから嫌らしい)。」、母の日は「感謝ってものは、人から強制されるものじゃ無いし。」と、全くスルーする。
唯一、プレゼントをもらうのはクリスマス*2だけだ。1年間いい子にしていたご褒美らしい。
まず、4月1日は必ずおじいちゃんちに行く。
美姫さんが自らおじいちゃんちに行く事は無いので、おじいちゃんはとても喜ぶ。
そして美姫さんは、それまでに企業が出したエイプリルフールネタを本当の事のようにおじいちゃんに教える。画像まで見せるからおじいちゃんは本気にする。
今年は、「骨だけケンタッキーが出てるから買ってきて。」とか「この煎餅つきの時計が欲しい」とか「バーミアンで0カロリーの餃子が出てるんだって、どれだけ食べても太らないじゃん。これ食べたい。」と言い、おじいちゃんはいそいそと買いに出かけた。*3
そして、必ずおじいちゃんから「美姫さん、あれはエイプリルフールネタだそうだよ。」と連絡が入る。
それが、何回か繰り返されるというのが、僕の家のエイプリルフールの定番。
おじいちゃん、そろそろ気付こうよ。
まぁ、おじいちゃんは毎年楽しそうだからいいのかもしれないけどね。
おわり