fic-tion’s diary フィクションの創作日記

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ありのママ【美姫さんvsくるま編②】

初めて読む方は

ありのママ 第一話 【美姫さんvsくるま編①】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

 

 

美姫さんvs車 ②

 

車で、自宅の近くまで来るといつもはほとんど人が通らない道だが、今日に限ってたくさんの人影があった。路地の先に人だかりができている様で、ちょうど僕んちの前あたりに集中しているようだった。

 

その人だかりの隙間からパトカーのランプが見える。

 

僕とお父さんは顔を見あせた。“さっきの電話は本当なのかもしれない。”不安がよぎる。車で行くより歩いた方が早いとお父さんは判断したようで、少し離れた所に車を止め、歩いて家を目指す。僕もお父さんも無言だ。歩くスピードはドンドンと速くなり、終には僕もお父さんも走り始めた。

 

「すいません。通してください。」お父さんは、人だかりをかき分けるように叫びながら前に進む。僕はその後ろにピタッとくっついて進む。人だかりをかきわけて前に進むと、家の前の塀には大破した車があった。


僕は、その車を見たら足がすくんでしまった。


“美姫さんは、この車と事故にあったの?”車の前面はぺっしゃんこになっている。かなりのスピードで壁に突っ込んだようだ。壁と車の間に美姫さんが挟まれたなら、かなりの重傷を負ったはずだ。そんなことが頭をよぎった。僕はとたんに恐ろしくなりその場から動けなくなった。

 

お父さんは、警察官に駆け寄り「斉藤美姫の夫です。妻はどちらに?」そうすると一人の警察官が近づいてきた。「ご主人ですね。奥さんは、家から路地に出たところで走ってきた車と接触したと思われます。車があの状態ですので、ビックリされたかもしれませんが、奥さん自身は見た目には怪我は見られなかったですが、意識が朦朧とされている様子だったので西山病院に搬送しました。」と言った。

 

“意識が朦朧としている。”その言葉に僕の頭の中は、真っ白になっていた。

 

—— 美姫さんが事故にあった ――

 

出掛ける時にいつもの様にソファーにだらっとしながら、“気をつけてねー”と手をふってくれたことを思い出す。涙が出そうになる。
「ショウ、行くよ。」お父さんの声にハッと我に返る。
ショックを受けている僕に気付いたのか、お父さんが僕の頭を“ポンポン”としてくれる。僕がお父さんの方をみると「美姫さんは、大丈夫」とお父さんは言い、僕にニコッと微笑んだ。

 

続く 

 

 

 

  #フィクション #唯一無二 #美姫さん