ありのママ【美姫さんvsネコ編①】

美姫さん vs ネコ ①

 

 朝から、美姫さんが物凄く怒っていた。原因は、“猫のフン”だ。

 

うちの庭にあったらしい。「ショウ。どのネコかわかる?」と美姫さん。そんなのわかるわけがない。「わからないよよ。」と言ったら、「わかったら教えてね。」と返された。

 

近所にウロウロしている猫は多数いる。その中で“今朝庭にフンをしていた猫”がどうやってわかるのだろう。美姫さんはブリブリと怒りながら、家の納戸に行き何やら準備をはじめていた。

 

「何するの?」と僕が聞くと「まずは、敵を知らなければならない。」と言って、一つの段ボールの中からカメラを取り出した。

 

「ショウ、手伝ってくれる?」と美姫さんがいい、カメラを手に家の外に出る。そして「ちょっと、そこに立ってくれる?」と言い、庭の真ん中あたりを指さした。僕はうなずき、美姫さんの指を指したところに行く。

 

「あっ。猫のフンがあったところだから、足元に気をつけてね。」と美姫さん。僕は慌てて足元に注意しながら庭を歩く。

 

僕んちの庭は、お父さんの手入れのおかげで綺麗な芝が一面に広がっている。僕が“猫のフン”があったと思われるところに近づき美姫さんの方を向く。

 

美姫さんは、カメラを設置していた。「ウーン。こんなもんかな。」といいながら、カメラの映像をチェックしていた。


「よし、良い感じ。ショウありがとう。第一段階はこれでいいかな。」と満足げな美姫さん。

 

さっきの機嫌の悪さは無くなり、逆に楽しそうな雰囲気を出している。美姫さんが何をしでかすかはわからなかったが、美姫さんが楽しそうならそれでよかった。


それから数日、カメラのチェックを怠らない美姫さん。あんなに怒っていた“猫のフン”を待ちわびていて、ただ単に猫が庭を通り過ぎようものなら「うんこをしないなら、うちの庭にくるな。」と怒り、待ちわびていた“猫”が映ろうものなら「よし。よし。よし。その調子。いいぞいいぞ。」と不敵な笑みを浮かべていた。でも、映っている猫は多数いた。その中で、どうやって“フンをした猫”を絞り込むのだろう。

つづく