ありのママ【美姫さんvsネコ編③】

初めて読む方は

ありのママ  【美姫さんvsネコ編①】

 

美姫さんvsネコ ③

 

ようやく待ちわびていた週末がおと連れた。僕は学校が終わると速攻で家に帰った。すると、美姫さんが庭先で何やらしていた。


「おう、おかえりショウ。」と僕に気付いた美姫さんが言った。
「ただいま。美姫さん。何しているの?」と僕が聞くと「今日の夜中のお楽しみだよー。」と楽しそうな美姫さん。いろいろと準備をしているようだった。


「少しおなかに何かいれてから、お風呂入って寝ようか。」と美姫さんは言い、僕たちはものすごく早い軽めの夕食を取り、お風呂に入り寝る準備をした。

 

僕はベッドに入ったがいつもはまだ起きている時間だから全く眠たくない。隣の部屋で寝ている美姫さんを見に行ってみると、美姫さんはグウスカ眠りについていた。さすがは美姫さんだ。どこでもどの時間でもどんな状況でも眠れる。僕は、自分に“眠くなる。ドンドン眠くなる。”と暗示をかけながら、ゆっくりと目を閉じた。


いい気分で寝ていると不意に身体をゆすられた。「ショウ、起きて。」美姫さんの声だ。美姫さんが僕を起こしにくるなんて珍しい。お父さんの具合でも悪いのかなと寝ぼけた頭で思う。

 

「ショウ。起きないのなら置いていくよ。」美姫さんが言う。“置いていく?”おいていかれちゃ困る。でも、どこに行くのだろう。半分寝ぼけた頭で、気を振り絞って身体を起こす。「やっと起きた。早くしないといなくなっちゃうよ。」と美姫さん。何が……いなくなる?

 

ようやく目が覚め、意識がはっきりする。美姫さんを見るとパジャマを洋服に着替えている。僕も急いでパジャマを着替える。


「よし。行こう。」と美姫さんが言い、僕に暗視ゴーグルを渡した。僕の目はきれいに覚めた。暗視ゴーグルをセットし、いざ夜の外に出る。

 

玄関から一歩外に出ると外は静かだったが、思ったより暗くない。街灯がこうこうと道を照らす。いや、このゴーグルうを付けるとまだ見やすいのかもしれない。暗視ゴーグルを着けて周りを見渡す。ん??さっきの裸眼と全く変わらない光景が広がっていた。

 

若干、薄暗く見えない遠くの景色が見えるぐらいだが、多分必要ないだろう。僕が美姫さんを見ると「何事も形が大切です。」と言った。


僕と美姫さんは、猫にばれないように物陰に隠れる。するとすぐに猫がやってきた。「あの猫。」美姫さんが猫にばれないように僕の耳元で囁く。僕はとりあえず暗視ゴーグルをつけて猫を見てみた。うん。裸眼と変わらない。

 

猫は、僕んちの庭に入り込み、定位置に“フン”をしていった。そして僕んちの庭からどこかに行こうとする。「ショウ。コッソリとね。」と美姫さんが僕に手招きをする。猫を付けて行く気だ。こっそりこっそりと猫の後をつける。


すると近所の一軒の家に戻っていく。「ここんちの猫。」美姫さんが言う。僕んちからそう離れていない家だった。「ショウ、ちょっと待っていて。」美姫さんは言い、自分ちの方向に走っていく。

 

すぐに戻ってきた。手にはスコップを持っており、スコップの上にはさきほどここんちの猫がしていった“フン”がのっていた。美姫さんはその“フン”を猫の飼い主宅の駐車場に止まっていた車のタイヤの前に置いた。それも後輪の方に。そして「じゃぁ、帰ろっか」と美姫さんは言い、僕と美姫さんは帰った。


思っていたよりも外は暗くなくって少しがっかりした。僕はまたパジャマに着替えてベッドに戻り眠りにつく。

 

続く