短編小説:ありのママ【美姫さん同じ穴のムジナ?編】

美姫さん同じ穴のムジナ?編

 

ここで、少しホラーな話をひとつ。


美姫さんが欲しいものがあるという事で、お父さんと3人で珍しくショッピングモールに行ったときの話。


連休と天気の悪さが重なり、屋根のあるショッピングモールは、大勢の人でごった返していた。

 

自分で行きたいと言っていたにも関わらず、ドンドン不機嫌になる美姫さん。目は据わり、ブツブツとつぶやきながら歩いている姿に、すれ違う人達はギョッとして避けてくれる。

 

美姫さん流の人のかわし方。

 

しかし、目的地のお店まできたのにも関わらず、店の中も人がごった返していたものだから「人が多いから今日は買ってやらない。」と訳の分からない事を言い出した。

 

まぁ、そんな事にもう慣れっこの僕とお父さん。「じゃぁ、帰ろっか。」とお父さん。僕は来た道を引き返そうとした時、僕達のいる場所から少し離れたところで泣いている女の子が視界に入った。

 

「あっ。迷子じゃない?」と僕が言うとお父さんが「本当だね。ちょっと声をかけてみようか。」と言い、その女の子のとこに向かおうとした。

 

すると「はぁ?。迷子なんてほっとけばいいじゃん。自分が迷子になったんだから、反省しなきゃ。ってか、あの子の周りの大人は何してんだ。」と美姫さんが言い出した。

 

自分が早くこの場から去りたいばかりに幼稚園生ぐらいの子に“反省しなきゃ”って言う美姫さん。

 

まぁ、美姫さんの言うように僕達よりも近くにいる大人は全く気にしていない様子で通り過ぎている。


「でも、可哀そうじゃない?」と僕が言うとお父さんが「あっ。誰か声をかけたぞ。あの子のお父さんかな?」と言った。

 

女の子の方を見ると男の人が女の子に声をかけていた。

 

「良かった。」と僕が言うまもなく、美姫さんがその女の子の所にすごい勢いで駆け寄った。そして、その男の人に頭を下げ、女の子を僕たちの方に連れてきた。僕とお父さんは一連の流れにビックリしてしまった。

 

「美姫さんが、人に頭を下げてる。」と僕とお父さん。衝撃だった。


「総合案内所に行くよ。」と美姫さんは言い、その女の子の手を引いて歩き出した。もう、何が何だか分からないが、とりあえず美姫さんに付いていった。美姫さんと総合案内所に女の子を預けて車の元に行き、家に帰る。

 

帰りの車の中、美姫さんは疲れて眠っていた。「おとうさん、美姫さんどうしたんだろう。」と僕がお父さんに話しかける。


「今日のはちょっとわからなかったな?」とお父さんも首を傾げた。


それからしばらくたってお父さんが僕に「ショウ。びっくりする話があるんだけど。」と興奮しながら僕に言ってきた。

 

「どうしたの?」と僕が聞くと、「前に美姫さんが迷子の子を総合案内所に連れて行っただろう。あの時女の子に声をかけていた男の人、捕まっていた。」とお父さんが言った。

 

「えっ?。」今度は僕が驚く番だった。


「美姫さん、あの男の人が悪い人って知っていたの?」と僕が美姫さんに聞くと「見ればわかるじゃん。」と美姫さんが一言。


分からないよ!!。僕は心の中でつぶやいた。

 

おわり

 

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