短編小説:ありのママ【美姫さんvsクラスメート編②】

初めて読む方は

ありのママ 【美姫さんvsクラスメート編①】 

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 美姫さんvsクラスメート編②

お父さんが帰ってきてから、僕は学校での出来事と、美姫さんからもらった薬の事を話す。


お父さんが大笑いし始めた。


「えっ?。なに?なに?。」お父さんが笑った事に戸惑う僕。
「やっぱり、美姫さんは薬を使ったんだ。それも“虫けら”って。まぁ、虫けらだな。」と笑いながらお父さんが言う。さっぱり意味がわからない。


「なに?なに?。」と僕が聞くと、お父さんが小学生の頃に起こった話をしてくれた。


お父さんと美姫さんは小学校の同級生だ。

 

お父さんが、小学生の時のクラスにも嫌な男の子が一人いたそうだ。


クラスに少し耳の不自由な子が一人いた。片方の耳が少し聞こえが不自由で、そちらの後方から話しかけると気付かないことがある。

 

喋る時に、聞こえの不自由な方にいかなければ何の問題も無い事なのだが、その男の子はわざとその子の不自由な耳の方に声をかける。

 

そして、気付かないその子の近くでわざと悪口を言い出すのだった。その男の子は身体が大きくて、体格的に勝てる相手はなかなかいない。みんないけない事だと思っていながら、怖くてなかなか注意が出来なかった。普段から威張っており、何か反論でもすればたちまちターゲットにされる。

 

お父さんは一度注意をしたんだけど「お前、あいつの事が好きなのか?」とからかわれてしまい、それ以来注意が出来なくなってしまった。

 

そんな中、家庭科の授業で調理実習があった。

 

美姫さんとお父さんとその男の子(もう一人の同じ班の女子は欠席していた)の班になった。難なく調理は終わり、可もなく不可もない自分たちで作った料理を食べた。

 

次の時間、その男の子だけお腹を壊し、粗相をした。普段からその子の事を良く思っていないクラスメートは、白い目でその男の子を見た。その男の子はそれ以来、威張ることも人をいじめる事もなく大人しくなったそうだ。

 

3人とも同じ料理を食べていたにも関わらず1人だけがお腹を壊す。確かにその男の子が一番量を食べてはいたが、考えると違和感がある。絶対に何かあると思っていたお父さんだったが、美姫さんに聞くが知らぬ存ぜぬの一点張り。ようやく、事の真相がわかりスッキリしたらしい。

 

「ショウ。魔法の薬はダメだ。まずは、そのクラスの子に口できちんと注意した方がいい。」お父さんは僕にそうアドバイスしてくれた。
僕はお父さんの方を信じた。

 

それから数日後「魔法の薬の効果はどうだった?」としきりに聞いてくる美姫さん。

目がキラキラしている。

ごめんね。美姫さん。僕、そんな事しないから。

 

おわり

 

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