短編小説:ありのママ【美姫さんvs修学旅行】 

美姫さんvs修学旅行編

 

もうすぐ、修学旅行がある。すごく楽しみなんだけど、ひとつ不安な事がある。それは、美姫さんがついてこないかという事。

 

美姫さんは、僕の遠足には必ず出没する。

 

僕に声をかけるのは、お父さんに止められているので遠くから見ている。低学年の時はなんとなく嬉しかったが、最近は少し恥ずかしい。


今回は、修学旅行だから大丈夫だと思うけど、心配なので僕はお父さんにそのことを話した。


お父さんは「美姫さんにはちゃんと話しておくから。」と言ってくれたので安心した。


修学旅行の日に「行ってらっしゃーい。」と満面の笑みで見送ってくれた美姫さん。その笑顔になぜか背筋がゾゾゾッとしたが、お父さんが言ってくれたから大丈夫だと思い、修学旅行を思う存分楽しんだ。

 

はじめのうちは、気になって周りを見て美姫さんがいないか探したけど、美姫さんがいる様子は無かったのでホッとした。

 

修学旅行も楽しく終わり家に帰ってきたら、いつものようにダラッとした美姫さんがソファーにいた。


“美姫さんは、お父さんのいう事を守ってくれたんだ。”と僕は嬉しかった。


僕の旅行話を楽しそうに聞く美姫さん。“ついて来ないで。”と言ったのが少し可哀そうになってきた。今度の遠足は少し離れた所ならいいよって言おうかなと考えていた。

 

それからしばらくたって、学校に修学旅行の写真が張り出された。
僕の写真のすみっこにはどれも小さく美姫さんが映っていた。


今度はもっときつく言ってもらおう。

 

おわり

 

 


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