fic-tion’s diary 

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美姫さんの仕事は究極の仕事です

 

ありのママ 第16話 

美姫さんvs仕事編

 

僕が低学年の時の話だ。

 

学校の授業で“家庭での家族の仕事について調べよう”という宿題があった。


先生に渡された用紙にまずは家族構成を書く。
僕の家は三人家族なので“お父さん”“お母さん”“僕”と書く。

その名前の横にその人がしている家庭での仕事を書きだす。

 

“お父さん”の欄に掃除、洗濯、食事作り、皿洗い、トイレ掃除、買い物、芝刈り……と思いつくものを書きだす。


つぎに“ぼく”の欄に、玄関の掃除、お風呂掃除、お父さんの手伝い……と書きだす。

 

最後に“お母さん”の欄を書こうとして手が止まる。美姫さんは、一日何をしているんだろうと思い、僕の知っている美姫さんの一日を考えた。


朝起きて……お父さんの用意した朝食を食べたら……ソファーに横になる。そしてお父さんの用意したお昼を食べて……ソファーに横になる。それから、お父さんの用意した夕飯を食べて、お風呂に入って……ソファーに横になる。寝る時間が来たら、ベッドに行く。


“ソファーに横になる”しかしていない。僕が知っているのは僕が休みの日の美姫さんの様子だけだ。もしかしたら、僕が学校に行っている間は何かしているのかもしれない。


美姫さんに「美姫さんって、仕事は何しているの?」と聞いた。


「生きているよ。」と美姫さん。小学校低学年の時の僕はまだ純粋だった。そのまま“お母さん”の欄に“生きている。”と書いた。


次の日のその用紙を見た担任の先生の顔が、いまだ忘れられない。

 

おわり

 

 

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