fic-tion’s diary フィクションの創作日記

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ありのママ 第二十話 【美姫さん&おばあちゃん編】

お父さんのおじいちゃんの家に遊びに来た時の楽しみのひとつに“温泉に行く”という事がある。おじいちゃんの家の近くには温泉がたくさんある。


おじいちゃんにおばあちゃん、お父さんに美姫さんと僕で、温泉に出かけた。

男湯と女湯に別れてそれぞれに入る。


身体を洗い、湯船につかっていると「ギャー――――。」と言う声が女湯の方から聞こえてきた。女の人の叫び声の後に「あら、ごめんなさい。」と言う聞きなれた声。

 

おばあちゃんだ。すかさず、僕の隣で温泉に入っていたおじいちゃんに「おばあちゃんじゃない?」と聞くと「そうだったかもな~。」とのんびりとした返事が返ってきた。


続いて女湯からは「どうしてくれるの!。」と言う声と共に「無いじゃない。えっ?えっ?。どこ?。」と焦っている声も聞こえてくる。

 

男湯に入っている人たちは、何が起こったか分からないので聞き耳を立てている。


さらに「無い。無い。無い。ねぇ、無いじゃない。どうしてくれるのよ。警察呼ぶよ。」と言う声。その後に「はぁ。いいですけど。」と言うおばあちゃんの声。


「ねぇ、おばあちゃん。警察呼ばれるみたいだよ。」と心配な僕がおじいちゃんに言うと
「あの声は、大したことない声だ。」とおじいちゃん。のんびりと温泉につかっている。


今度は「ねぇ。逃げる気?。」という声が聞こえてきた。「いや。警察が来るんだったら、洋服を着てないと恥ずかしいですからね。」と言うおばあちゃんの声。

 

「はぁ?。ねぇ、あんたボケてるの?」と激高している女の人の声。


おばあちゃんはボケてない。僕も安心して温泉につかることにした。ふと、美姫さんの声がひとつも聞こえてこない事が気にはなったが。

 

お風呂から上がり、ロビーに行き、飲み物を飲んでいると温泉のフロントの所で怒っている女の人達がいた。


「だから、お風呂の中にスマホを落としたんだけど、見つからないの。どうにかして。」とひとりの女性がフロントにいる男の人に食って掛かっている。


「スマホは、浴室内には持ち込まないように注意書きが書いてあったと思いますが。」と委縮気味のフロントの男の人。


「そんなのどこに書いてあったの?。私、見てないし。」とひとりの女の人が言う。「どうにかして、見つけてよ。」ともう一人の女の人が言う。

 

フロントの男の人は困惑した表情になる。すると「えっ。あなた達、スマホを浴室内に持ち込んでいたの?それって“盗撮”じゃないの?」と言う声が聞こえてきた。


僕は声の主を思わず二度見した。美姫さんだった。
「私たち、盗撮なんかしてないし、そんなのスマホ見ればわかるから。」とひとりの女性が言うと他の2人もうなずく。


「そのスマホって見つからないんでしょ。それに湯船の中に入っていたらもう使い物にならないんじゃなくて。そしたら、証拠なんか無いわよ。それにもしデーターが見れたとしても他の人が少しでも映っていたら“盗撮”になりますからね。」と美姫さん。


「自分たちメインで映していたから、他の人は関係ないし。」とひとりの女の人が言うと
「そんなの映していた人の主張ですからね。殺人をした人が“殺す気が無かった”って言うのとおなじですよ。」と美姫さん。


「もう、行こう。」とひとりの女の人が言い、3人はその場を去った。
温泉から帰り、おばあちゃんと美姫さんに話を聞く。


浴室内でスマホを使い撮影していた人におばあちゃんがぶつかってしまったそうだ。そしたら、そのスマホが浴槽の中に落ちた。今日の温泉はにごり湯だったので、全然見つからなかったらしい。


次の日美姫さんが見慣れぬスマホを持っていた。「誰のスマホ?。」と僕が聞くと「昨日行った温泉の湯船に入ったら、私のお尻の下に固いものがあるなーって思っていて、湯船から出る時に触ったら、スマホだったんだよね。

 

誰のだろう。警察に届けに行かないといけないね。」と美姫さん。
そのスマホ、昨日のスマホだよね。

 

おわり

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