短編小説:ありのママ【美姫 さんvs スポーツ編】

美姫 さんvs スポーツ編

美姫さんは、スポーツを見るのが好き。

テレビでスポーツがあると、必ず見ている。

 

でも、もっぱら、テレビ専門だ。

 

僕が産まれる前にお父さんと野球を生で見に行った時に、美姫さんは「全然、見えない。」と球場に来てるにもかかわらず、ワンセグで見てたらしい。


美姫さんは見ているスポーツのルールを知っているのかは、わからない。

ただ、スポーツを見ている時は、ものすごくうるさい。


いつもは何の文句も言わないお父さんが「美姫さん。お願いだから静かにして。」と言うぐらい。だって、うるさすぎて解説の人の声も聞こえない。実況も聞こえない。終始、美姫さんのおしゃべりの声しか聞こえない。

 


例えば、サッカーの試合だと「あっ、今、押したよね。この人。ね、ね、こうちゃん、見てた?。わざと押したよね。ドンって押したよね。ね、いいの?サッカーって人をドンって押していいの?。」と美姫さん。

 

お父さんも僕も集中してサッカーのプレーが見たい。

曖昧に相槌を打っていると、「あっ、今度は、蹴られても無いのに痛いふりしている。あぁ~あ、審判、騙されて笛吹いたし。カード出たし。ちゃんと見ていたのかな。絶対、当ってなかったよね。」と美姫さん。

 

美姫さんのサッカーの注目ポイントは、サッカー選手のプレーの凄さではない。

 

そして、極めつけは、「あっ、あの選手の髪型って崩れないね。バッキバキに固めているのかな?」とか、「ズボンに芝の色がついたけど、洗濯で取れるのかな?」とか「あっ、つば吐いた。」とか言っている。

 

もう、それサッカー関係ないよね。


野球を見ている時だってそう。

 

「よく、あんなに投げて腕が取れないよね。腕ごと飛んでいきそう。」とか、フライを取ろうとグローブを構えている人がテレビに映ると「膝カックンしてみたいよね。」とか、選手がスライディングすると「あぁ、あんなに土をユニフォームにベットリつけて…、奥さんに叱られるよ。」とか「ズボンの裾が長すぎだよ。裾を踏んじゃうよー。」と言っている。

 

ガムを食べている選手がいると「さっきからずっとガム食べてるけど、味無くならないのかな?」と不思議そうにしている。

 


相撲を見る時は、どのお相撲さんが懸賞が多いのか比べる。

ボクシングは、観客席の人を見て「あっ、この人この前もいたよ。」とか言っている。

 

カーリングに至っては、毎回“そだね。”の数を当てるというゲームを一人でしている。そして、モグモグタイムは自分も一緒にモグモグタイム。選手との一体感を味わっているらしい。

 

 

美姫さん、スポーツ好きなの?

 

 

おわり

 


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