短編小説:ありのママ【僕vs宿題編】

僕vs宿題編

毎日、毎日、たくさんの宿題が出る。

 

「はぁ。」とため息をつきたくなる。でも、美姫さんの前でため息は厳禁だ。
それは、僕が小学三年生の時に起こった。


その日も宿題がたくさん出た。六年生の宿題に比べたら全然少ないんだけど、その当時はすごく多く感じた。


家に帰ってから「美姫さん、宿題がたくさん出たよー。」と美姫さんに愚痴った。
すると美姫さんが「任せといて。」と言い出し、僕の宿題をスラスラスラとし始めた。


「先生にばれないようにしておくからね。」と美姫さんは言い、少し崩し気味に字を書いていく。小学三年生の問題を難なく解く美姫さん。


「自分の宿題は嫌だったけど、人の宿題は楽しいね。」と言いながらドンドン解いていってくれた。


僕は、“ラッキー。”と思い、美姫さんの隣でゲームを始めた。
当たり前だけど、僕が解くよりずっとはやく宿題が終わった。


それからが僕の地獄の始まりだった。


担任の先生には“宿題を親がする”という考えはない。僕がいつもより丁寧な字で、間違いもなく解いた。と感じていたんだと思う。


「斉藤くんは、この問題をちゃんと解けていました。」とみんなの前で言った。実際の僕にはその問題はまだ解けない。顔がこわばってくる。


字だってそうだ。宅習帳に先生から“この前みたいにきれいな字で書きましょう。”と書かれるようになった。どんなに時間をかけてもそこまでの字が書けない。


僕は、はりのむしろ状態になった。


それから、宿題は自分でしようと心に決めた。
美姫さんは、僕の宿題が楽しかったのか何かあるたびに「ショウ、宿題を手伝うよ。」と言って僕の宿題をしようとする。


僕はサッサと宿題を済ませるようになった。

 

おわり

 

 

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