fic-tion’s diary フィクションの創作日記

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短編小説:ありのママ【美姫さんvs成人式①】

美姫さんvs成人式①

おじいちゃん(美姫さんの父)の家に遊びに行くと、おじいちゃんは写真を見ていた。
美姫さんの写真が大量にある。


「ショウくんは、美姫さんの写真要らないかい?。」とおじいちゃんが僕に聞いてきた。
「いらないよ。」と僕が答える。


「でも、可愛いぞ。ほら、これなんか美姫さんが初めて歩いた時の写真だよ。」とおじいちゃん。「あっ、これは初めてレモンを食べた時の顔だよ。この“酸っぱい”って表情が何ともいえないよなぁ。」とおじいちゃんは、写真を一枚一枚見ながら感傷にひたっている。


―― この光景、つい最近、どこかで見たような気がする……。

あっ、美姫さんだ。学校の宿題で【成長を振り返ろう】ってのがあって、小さい頃からの写真を持ってくるように言われた時に、僕の写真が大量にあったっけ。

今のおじいちゃんみたいに美姫さんがずーっと写真を見ながら感傷に浸ってて、なかなか学校に持っていく写真が決まらなかったんだ。 ――


そんなことを僕が思っていると、「ショウくんも、この写真は要らないのか……。美姫さんも要らないって言ってたしな……。さて、どうするかな。」とおじいちゃん。


「貴方が亡くなった時に、全部、お棺に一緒に入れてあげますよ。」とその様子を見ていたおばあちゃんが言った。


「そりゃいいな。」とにこやかになるおじいちゃん。
「良子(おばあちゃんの名前)さんにも入れようか?。」とおじいちゃんがおばあちゃんに聞くと「私は、お花の方がいいわ。」とおばあちゃんは答えた。


おじいちゃんがお棺に入り、周りに美姫さんの写った写真がたくさん飾られているのを想像すると不謹慎だけど、ちょっと笑える。


その時、アルバムの表に【美姫 成人式】という字が見えた。
「これ、見てもいい?。」僕が言うと「おう、いいぞ。」とおじいちゃんが、写真に興味を示した僕に喜んでそのアルバムを見せてくれる。

 

つづく

 

 

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