短編小説:ありのママ【美姫さんvs風邪】

美姫さんvs風邪

いつものリビングのソファーの定位置に美姫さんがいない。


お父さんに「美姫さんは?。」と僕が聞くと「風邪をひいたらしいよ。」とお父さんが答える。


「いつもの?。」と僕が聞くと「そう、いつもの。」とお父さんが返す。


美姫さんは、風邪をひくと風邪菌と戦うべく部屋にこもり、精神統一を始める。それがいつもの美姫さんの風邪の時の習慣。


その間、美姫さんに話しかけてはダメなのだ。気が乱れるらしい。
美姫さんいわく、心の中で風邪菌に身体の中から出て行くようにまずは説得を始める。

 

優しい言葉で穏やかに、諭すように話してあげるのが一番。例えば、「風邪様、私の身体から出た方がよろしいですよ。」とか「風邪さん、私の身体にいても何のメリットもございませんよ。」とか話してあげるらしい。


それでも出て行かない時には、出て行くように交渉をする。風邪菌との交渉はまず、身体の中からスムーズに出て行ったら、こちらからは何も仕掛けないという条件から入る。

 

「もし、スムーズに出て行ってくれたら、私は何もしません。」と風邪に話しかける。その他、相手の言葉に耳を傾けて、何が目的なのか、交換条件は使えるのか、攻めていくらしい。

 

「今回の貴方の目的は、のどの痛みですか?。鼻水を出すことですか?。それともお腹まで攻めるつもりでしょうか?。」と聞き、「もし、どこにも手を出さないと約束するなら、こちらも風邪薬等々、飲まずに我慢します。」と交換条件を出す。


それでも出て行かないときは、風邪菌に脅しをかける。はじめは簡単な脅しからはじめる。まず、「もし、出て行かないなら風邪薬をいますぐにでも飲みます。」って事を言い、それでもダメな時は、「一日三回の風邪薬を寝る前まで追加して四回にします。」と言ったり、「熱さましまで使いますよ。」と言ったりし、最終手段は、「話は決裂しましたね。こうなった以上、私は病院に行き、抗生剤の点滴をして貰います。」と脅すらしい。


「今回の風邪はどのくらいしぶといんだろうね。」と僕がお父さんに言うと「美姫さんが、起きて来た時点で、熱がありそうなぐらいにボーっとしてる感じだったからな。最後まで行くんじゃないかな。」と冷静なお父さん。


美姫さん、病院嫌いもほどほどにね。

 

 おわり

 

 

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