キャプテン翼はボールが友達、アンパンマンは愛と勇気が友達、美姫さんは?

ありのママ 第37話

美姫さんの友達

 

「広瀬さんは、美姫さんの友達?。」と僕が聞くと
「違うよ。」と美姫さん。「じゃぁ、親友?。」と聞くと「それも違う。」と美姫さん。


「じゃあ、何?。」と僕が聞くと「知り合い。人だから知人だね。」と美姫さん。


「あんなに仲良くしているのに?。」と僕が言うと「ショウ。友達ってどんな人の事を言うのか知っているの?。」と美姫さんが僕に問う。

 

「友達…ね。いつも一緒にいる人。」と僕が言うと「家族の方が一緒にいる時間は長くない?。」と美姫さん。

 

「そうだね。じゃぁ、何でも相談にのってくれる人。」と僕が言うと「それも家族の方が多いかな。」と美姫さん。

 

「じゃぁ、友達って何?。」と僕が美姫さんに聞き返すと「心を許しあえること。」と美姫さん。「じゃぁ、美姫さんの友達……。」と僕は言いかけてやめた。

 

美姫さんの友達は“布団”だ*1。「美姫さんは、布団が友達って言うけどそもそも布団って生き物なの?。」と僕は言い直した。


「ショウ。キャプテン翼の翼君だって、『ボールは友達』なんだよ。

アンパンマンなんて『愛と勇気だけ』が友達なんだよ。愛と勇気って実態ないじゃん。

布団はね、どんな時にでも、包み込んでくれるんだよ。お布団の中に入ると心がホンワカなるでしょ。お布団に心を許しているんだよ。」と美姫さんが熱弁する。

 

美姫さんに聞いたのが間違いだった。


日曜日、家の中に美姫さんの声が響く。「こうちゃん、私のお友達を取らないで。」と美姫さん。「美姫さん、いいお天気なんだよ。お友達も日光浴させてあげないと。」とお父さん。


天気がいいので、お父さんが布団を干そうとしているようだ。「わたしは、友達と一緒にいたいんだよ。」と美姫さん。「ダメ―。」とお父さん。

 

うん。今日も平和だ。

 

おしまい

 

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