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短編小説:ありのママ【美姫さんvs結婚式①】

美姫さんvs結婚式①

今日は、おじいちゃんからの呼び出しがあった。

「そういえば、この前写真を整理していた時に、美姫さんの結婚式のDVDがあったんだよ。」と嬉しそうに話すおじいちゃん。

でもおばあちゃんを見ると苦笑いの様子。

 

おじいちゃんは、僕の返事も聞かず、DVDをプレーヤーにセットした。

「楽しみだな。」とおじいちゃん。「夕べも見ていましたよ。」とおばあちゃんが言うもおじいちゃんの耳には届いていない。ニッコニコしながら、DVDの再生が始まるのを待っている。


程なくしてDVDの再生がはじまった。


まずは、結婚式からだった。

チャペルの入り口に立つ美姫さんとおじいちゃん。DVDの中のおじいちゃんはすでに号泣していた。その横でものすごく不機嫌そうな美姫さん。
「ショウくん、美姫さん綺麗だろう。」とおじいちゃんは言った。おじいちゃんはDVDを再生してまだ数分しか経っていないのに涙目になっていた。

 

自分のお母さんを綺麗って言われても……。とても微妙な気持ちだ。

 

チャペルのドアが開き、おじいちゃんと美姫さんはバージンロードを歩き始めた。

見ていると何か違和感を感じる。

何でだろうと思い、よく見てみると美姫さんとおじいちゃんの歩調が違っていた。ゆっくりゆっくり歩くおじいちゃんを他所にサッサと歩く美姫さん。そのうち、おじいちゃんが美姫さんに引っ張られながらバージンロードをお父さんがいる所まで行く。

 

おばあちゃんが、それを見ながら大笑いしていた。「ショウくん、可笑しいよね。」と笑い過ぎて涙を流しているおばあちゃん。


それから、神父さんかと思いきや神父さんの格好をした広瀬さん(美姫さんの幼馴染)が美姫さんとお父さんの前に立っていた。

「これって、広瀬さんじゃない?。」と僕が聞くと「美姫がね、本物の神父さんはダメだって。言ってね。結花ちゃんの神父の格好も結構様になってるし。」と笑いながら言うおばあちゃん。


DVDの中の結婚式はどんどん進む。
「新郎 浩一は、健やかなる時も病める時も貴方は新婦 美姫の言う事をすべてなんでも“イエス”と答えますか?」と広瀬さん。

あれ?。いつも聞く結婚式の誓いの言葉と少し違う。

 

「美姫はね、これがしたかったんだってさ。アハハ。」と笑いの止まらないおばあちゃんが教えてくれた。
DVDの中のおとうさんが「はい。」と答える。

 

「それでは、指輪を交換してください。」と広瀬さんは言った。

 

つづく

 

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