短編小説:ありのママ【美姫さんvs結婚式②完】

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ありのママ  【美姫さんvs結婚式①】

美姫さんvs結婚式②完

あれ?。お父さんしか誓ってないぞ。

 

「おばあちゃん、美姫さんは誓わないの?。」と僕がおばあちゃんに聞くと「『自分の一生をそう簡単に誓えるか』。って言っていたよ。アハハハ。ダメ。笑い過ぎてお腹痛くなりそう。」とおばあちゃん。

 

流石だな―美姫さん。

 

最後に讃美歌ではなく、大地讃頌がうたわれていた。

~母なる大地の懐に我ら人の子の喜びはある 美姫を愛せよ 美姫に生きる

 人の子ら その立つ美姫に感謝せよ~

 

なんだ……この歌詞。


「これも、美姫のチョイス。『この歌が好き。』って美姫に言われてね。美姫は、讃美歌の意味を知らないんだよね。歌詞まで変えちゃって。ショウくん、今から流れる披露宴の方もおもしろいよ。」とおばあちゃん。

 

おじいちゃんはというと、歌詞の変わった大地讃頌を一人で歌い、一人感傷に浸り、ティシュ箱を抱えながら涙を流し、一生懸命見ている。


結婚式の映像が終わり、披露宴の映像になった。


披露宴会場の外で、出番を待つお父さんと美姫さん。
結婚式場のスタッフの指示で中に入る。


美姫さんとお父さんは式場内を一周するとお父さんは高砂に座りに行ったが、美姫さんはそのまま退場した。
「美姫さん、出て行ったよ。」と僕が言うと「美姫がね、高砂に座ってニコニコしているのが嫌だから、初めは自分の代役を立てるって言いだしたのよ。面白そうだけどね。さすがに結婚式に代役は無理だからって言ったらね、『じゃぁ、ファッションショーにする』って言ってね。お色直しが7回だったかな?したのよ。面白かったなぁ。」と大爆笑のおばあちゃん。


「8回だっだぞ。」とおじいちゃん。


それから、衣装チェンジをして中に入っては式場内を一周して出て行く美姫さんを8回見た。髪型も衣装に合わせて変えてきているし、見ごたえは充分にあったが、披露宴って言われると首をかしげたくなる。

その間、お父さんは高砂に座りながら、美姫さんを笑顔で見ている。

この披露宴の中で、お父さんとおじいちゃんが一番いい表情をしていたかもしれない。


「なんでこんなことになったの?。」と僕が聞くと「まさおくんと浩一さんが、結婚式を嫌がる美姫に、どうしても結婚式がしたいって頼み込んだらこんなことになったのよ。」とおばあちゃん。

 

結局、美姫さんのしたい結婚式になっているね。

 

おわり

 

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