fic-tion’s diary フィクションの創作日記

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ありのママ 第44話  【美姫さんvs動物】

美姫さんは、サファリパークが大好きだ。


サファリパークで、園内バスに乗り動物にエサをあげるのをとても楽しみにしている。
ただ、事前に儀式が必要になってくる。


何故かって?
それは、僕が5歳位の話だ。
僕とお父さんと美姫さんとサファリパークに遊びに行った。
そこで、動物にエサをあげれる園内バスに乗った。
サファリパークの人にエサをもらい、いざ、エサをあげる事になった。 


まず始めは、草食動物からだった。
草食動物は、僕たちが差し出したエサを難なく食べる。
バスの周りに動物が集まってきて、僕は嬉しかったのを覚えている。
ただ、美姫さんは草食動物ゾーンはあまりつまらなさそうにしていた。飼育員さんにもらったエサをまとめて一匹にあげていた。


次に、肉食動物のライオンのいるゾーンに入った。
美姫さんの目が輝きだす。
ライオンは園内バスを見てエサがもらえるとわかっているのだろう、ドンドン集まってきた。
僕たちがエサをバスから差し出す。


大きな口を開けてそれを食べる。僕は口の中の牙が見えて怖かった。
「ライオンさんの歯、怖いね。」と僕が美姫さんの方を向き話しかける。

 

すると、美姫さんの前にはライオンが一匹もいなかった。
美姫さんは、満面の笑みでエサを差し出している。
でも、ライオンは美姫さんのエサを食べようとはしないし、美姫さんの前に近づこうとしない。
バスに他に乗っている人たちを見まわして見ても、そんな光景は無くって、みな楽しそうにエサをやっている。

僕は、隣にいたお父さんにその事を教える。

 

その様子を見たお父さんは、
「ライオンには、分かるんだね。危険な人物だって事が。」と失笑した。

 

結局、肉食動物ゾーンでは、美姫さんはどの動物にもエサをあげられなかった。

 

どうしても肉食動物にエサをあげたい美姫さん。
お父さんが、考え出した答えは、
“美姫さんの気配を消す。”という事だった。

サファリパークの園内バスに乗る前に大きく深呼吸を十回。
心を無すること。肉食動物ゾーンまでは目を閉じて精神統一。
『私は、貴方には悪い事を何もしません。』という気持ちを高める事。

 

それから、すこしずつではあるが、美姫さんは肉食動物にエサをあげることができるようになった。


美姫さんからは、何が出ているのだろう。

 

おわり
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