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短編小説:ありのママ【バーベキュー編】

バーベキュー編

お父さんが仕事から帰ってくるなり「今度の日曜日にバーベキューをしよう。康夫くんから、久しぶりに連絡があったんだ。」とお父さんが言った。

 

「康夫くんって誰?」僕が聞くと「広瀬さんの旦那さんだよ。」とお父さんは言った。バーベキューか、楽しそうだなと僕は思い、「行く。行きたい。」と言った。「よし、ショウは行くんだな。美姫さんはどうする?。」とお父さんが美姫さんに聞くと「仕方がない。行ってやるか。」と言った。


僕は日曜日が、楽しみになった。

 

日曜日になり、僕とお父さんと美姫さんは、バーベキューをする場所に近いスーパーに行く。そこで広瀬さんたちと合流して、買い物をしてから、バーベキューをすることになっていた。

 

「車が盗まれないように警備しとくから、車の鍵をしっかりとかけて買い物に行ってねー。」と言って、寝た美姫さんを置いてスーパーに向かうと広瀬さんたちはもう来ていた。
「ショウ。大きくなったな―。」とそこにいた男の人が言う。広瀬さんと一緒にいたから、お父さんがいう広瀬さんの旦那さんの康夫さんだろう。


僕はその男の人にどこかで会ったような記憶があるが、思い出せなかった。
「はぁ。」と僕が返事をすると「幼稚園の運動会以来だもんなー。」と康夫さんは言う。


あっ、あの時のおじさんだ。いつも運動会に来て、一緒にお弁当を食べて…。
「康夫くんは、ショウの運動会を毎回見に来てくれていたんだぞ。」とお父さんがいう。


幼稚園の運動会にお菓子をたくさん持ってきてくれた人だ!と、僕の記憶が更によみがえる。


「うちは、子どもがいないから、ショウの運動会を楽しみにしていたんだけどなー。職場の人たちと子供の運動会が重なると、なかなか休みが取りづらくなって。そしたら、結花が最近、ショウに会っているっていうじゃないか、僕も大きくなったショウに会いたくなってな。浩一君に連絡したんだよ。」と康夫さんは言った。

 

「美姫は?。家?車?。」と広瀬さんが聞く。

「車だよ。」とお父さんが言うと「おぉっ。美姫、来たんだ!。エライエライ。」と言う広瀬さん。

 

4人で楽しくいろいろ話をしながら、バーベキューの材料を買い、バーベキューの出来る公園に移動する。

 

お父さんと広瀬さんと康夫さんが準備をする。その横で、一人ハンモックを出し揺られながら昼寝する美姫さん。


「美姫さん、相変わらずだなー。ぶれてない。さすが師匠。」と美姫さんの姿に喜ぶ康夫さん。「でしょー。面白いよねー。美姫師匠。」と広瀬さん。「まぁ、妙な芯は通っているかもな。アハハ。美姫さんが康夫くんの師匠になったのか。」とお父さん。

 

「美姫師匠って何?。」と僕が聞くと、「康夫さん、仕事辞めたんだ。結花ちゃんも働いているから、すれ違いの生活ばっかりだったんだって。」とお父さんが教えてくれた。「美姫さん見てたら、のんびり暮らすのも悪くないのかなって。」と康夫さん。

 

美姫さんが師匠?おとなの考えることはわからない。

 

僕も少しお手伝いをしながら、バーベキューの準備をする。
バーベキューの準備も終わり、いよいよ焼きにはいる。
「美姫―。肉を焼くよー。」と広瀬さんが言うと、ムクッと起き上がる美姫さん。


美姫さん、本当に食べる専門だなー。

 

網の上にお肉やらお野菜を乗せ、焼いていく。
美姫さんが自分の前の網にある野菜を無言で除けていく。それを見ていた康夫さんも自分の前にある野菜を除けていく。


「おぉっ。お肉が焼けてきたよ。」とお父さんが言うと、焼けたお肉を横からヒョイと取る美姫さん。「美味しい。」と満面の笑みだ。

 

「野菜も焼けたよ。」と広瀬さんが言うと、「私、今食べたから、次の方どうぞ。」と言う美姫さん。よく見ると、美姫さんは、お肉ばかり食べていた。その様子をチラチラ見ながら、これまたお肉ばっかり食べている康夫さん。

 

だが、広瀬さんに見つかってしまい「やっくん(広瀬さんが康夫さんを呼ぶときのあだ名)、肉ばっかり食べ過ぎ」と広瀬さんが言い、康夫さんのお皿の中に野菜を入れていく。

 

それをみて、ニヤリと笑う美姫さん。

 

広瀬さんが、康夫さんの皿に野菜を入れてるのを見て、お父さんも「美姫さんも、お野菜食べないと。」と言う。


美姫さんの皿に野菜を入れていくお父さん。その野菜をこそっと康夫さんの皿に入れていく美姫さん。それに気づいた康夫さんは、その野菜を広瀬さんの皿に入れる。

 

「やっくん、子どもみたいな事しない。」とすぐにばれ、怒られる康夫さん。

「師匠が…。」という康夫さん。

「まだまだ、修行が足りんな。」と不敵な笑みを康夫さんに向け、肉を食べる美姫さん。

 

康夫さんの目指してるものってなんだ?

 

 

 

おわり

 


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