日々あるたくさんのニュースの中から、何となく気になった記事を私なりの解釈で分かりやすく書いているつもりです。ちょっとした読み物として読んで頂き、皆さんの何かのお役に立てれば幸いです。
元の記事の内容
成人のマラリア感染リスクを防ぐ効果があるとして期待がかかるワクチンの開発を飛躍的に前進させるべく、「蚊専用のギロチン」が開発された。いったいどんなもので、なぜ必要なのか?
wiredより記事引用
今回注目した記事のページです。
記事の解説とフィクコメント
大量生産可能なワクチンを開発するために、バイオテクノロジー企業のサナリア(Sanaria)は、蚊1匹1匹の頭を切り落として唾液腺を取り出している。蚊の唾液腺には、マラリアの原因となる寄生生物がいるのだ。そしてその断頭作業は、なんと人の手で行われているという。
このつらい作業をスピードアップさせるため、同社はジョンズ・ホプキンズ大学の医療ロボット工学者たちと協力し、蚊専用のギロチンを考案した。この機械を使えば、一度に30匹の蚊の首をはねられるという。
『蚊のギロチン』って記事を見た時に、思わず二度見してしまいました。記事を読んでいってあんな小さい蚊の頭を一つ一つ取っている事にもビックリでした。
何十年という研究期間にもかかわらず、マラリアワクチンはいまだに広く利用可能なものにはなっていない。
第1の理由は、マラリアを引き起こす微生物である熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)のライフサイクルが複雑だからだ。
第2の理由は、そもそもワクチンは「人体に元来備わっている免疫システムに対して、侵入者と戦うよう促す」ものだからだ。
マラリアには、色々な種類があるらしく、発症や予後がそれぞれ違うみたいです。幅広く使えて、抗体が身体につくワクチンを開発している様です。ひとつのワクチンで、マラリアが防げればとてもいいですね。
製薬会社のグラクソ・スミスクライン(GSK)は「RTS,S」という有望なマラリアワクチンを開発し、その治験がアフリカで実施された。5カ月から17カ月の乳児のグループを対象とした臨床試験で、RTS,Sはマラリアを40パーセント近く減らすことができた。
一方、サナリアが開発しているワクチンは、2017年に発表されたマリ(この国ではマラリアが蔓延している)での研究によると、プラセボ(偽薬)を与えられた参加者は93パーセントがマラリアに感染したのに対し、ワクチンを投与された参加者で感染したのは66パーセントだったという。
(マラリアワクチンの専門家たちは、ワクチンの有効性を別のワクチンと直接比較するのは難しいと警告している。試験場所や参加者の人数が異なるからだ)。
この2つの会社のワクチンが、現在、マラリア予防に期待されているみたいです。記事を読んでいくと、この2つのワクチン、効果が違いました。RTS,Sは子どものマラリアを減らす効果があり、サナリアが開発しているワクチンはマラリアのシーズンを通して、成人の感染リスクを防ぐ効果があるとわかっているそうです。
ギロチンというアイデアは、技術者たちの訓練に大きな変化をもたらした。手作業で切り落としていたときは、1時間あたり300匹の速度に到達するまでに60時間から120時間の訓練が必要だった。この装置ができてからは、4時間から6時間で済むようになったのだ。
記事によれば、ひとつのワクチンを作るのに一匹の蚊が必要だそうです。世界中の32億人がマラリアの危険にさらされており、毎年約2億人が感染しているらしいです。32億匹の蚊……、考えただけで痒くなってきそうですが。それだけ、蚊をギロチンしないといけないということですね
★マラリア罹患数と死者数★
罹患数:2017 年 推定 2 億 1900 万件
死者数:2017 年 推定 43 万 5000 人
(世界保健機関(WHO) 2018 年世界マラリア報告書 概要より)
マラリアとの戦いでここまでの前進がみられたのは、科学の功績だ。ほんの数十年前には、マラリアのワクチン開発が可能だであることを疑う人も多かった。「いまでは、問題はワクチンができるかどうかではありません」とダフィーは言う。「マラリアワクチンがどこまで進歩するかということなのです」
科学が進歩するといろいろな事が進歩するのですね。良い事に使われる科学の進歩は嬉しいものです。
まとめ
物には、人知れない苦労と努力が詰まっているのを改めて感じました。この記事の下にも蚊の遺伝子を操作してのマラリア撲滅の記事が載っていました
興味のある方はこちらから ↓
蚊の遺伝子操作によるマラリア撲滅が現実的に? 技術の飛躍的な進歩と、いま求められる議論|WIRED.jp