第151話 美姫さん流アンチエイジング法
「ショウ。聞いて!私、天才かもしれない。」と僕が学校から帰ってくるなり美姫さんが言った。
たいてい美姫さんの“天才”発言は、あまり天才とは思えないことばかりなので信用ができないが、とりあえず聞いてみることにした。
「どうしたの?」 と僕。
「あのね、究極の若がえり法をみつけたの」と美姫さん。
「まさか、宇宙から見たら一年なんてちっぽけとか、そんなのじゃないよね。」と僕がいうと。
「いやいやいや、 今日ね、テレビ見て気づいたのよ。」と美姫さん。
「で、何?」 と僕。僕は究極の若がえり法に興味はないんだけど。
「アンパンマンみたいになれればいいんだよ。」と美姫さんはいった。
はぁ? 毎回 思うんだけど、 意味がわかんない。僕がきょとんとした顔をしてると、
「アンパンマンみたいに顔がよごれたら、とりかえればいいんだよ。 そしたら、老けない。」と得意気な美姫さん。
「美姫さん。それ、今日一日中考えてたの?」と僕が聞くと
「いや、3日前ぐらいかな?やたら、アンチエイジングの広告が多いなぁって思って、何かいい方法がないか考えてた。そしたら、今日テレビにアンパンマンが出てきてね。『あっ、これだ~』って思って。でもさ、アンパンマンになる方法がわからない。どうすればいいと思う?」と美姫さんが言い、僕に聞いてきた。
アンパンマンになる方法ね……。
「ジャムおじさんを探せばいいんじゃない?」と僕は適当な事を言う。
「ジャムおじさんを探すのね…。わかった。頑張ってみる。」と美姫さんは言い、康夫さんに【大至急、よろず屋の求人でジャムおじさんを募集して】とメールした。
「でも、美姫さんってアンチエイジングに興味があったの?」と僕が聞くと。
「いや、全くないよ。でもさ、流行ってるって事はみんなが興味があるって事でしょ。ジャムおじさんがよろず屋で働いてくれたら、私働かなくていいじゃん」と美姫さんは言った。
……ジャムおじさん見つかるといいね。
おしまい