短編小説:ありのママ【僕vsクラスメイト】

僕vsクラスメイト

「美姫さん、ぼくって変わってるの?」と僕が言う。「なんで?」と美姫さんが聞く。「今日、クラスの同級生に『ショウって、変わってるよな〜。』って言われた。」と僕が答えると、

 

ソファーにいつもように横になっていた美姫さんが、ガバッと起き上がり「えっ?。その子って、アンパンマンのカバオくんみたいに二足歩行して洋服きて日本語が話せる動物?」と目を輝かせながら興味深々で僕に聞く美姫さん。

 

クラスメートが、カバオくん?

考えただけで、笑える。楽しそうはたのしそうだけど、美姫さんが言っている意味がわからない。

 

「違うけど…。なんで?」僕は聞く。

 

「だってさ、ショウが変わってるんでしょ。人間を見て『変わってるね』って言うって事は、人じゃないって事でしょ。でも、言葉は話せる…となると、私が知ってる中で当てはまるのは、アンパンマンの世界の仲間しかいないなぁって思って。実在するのかと思って、ビックリしたよ。」と美姫さん。

 

「カバオくんは、実在しないと思うよ。」と僕が言うと、「じゃあ、わかった!。ペッパーくんだ。」とニコッと嬉しそうな美姫さん。

 

「えっ?」と僕が言うと「ペッパーくんは、実在するじゃん。みんな同じ顔だし。」と美姫さん。そして「ショウのクラスメートって、みんなペッパーくんなの?。ショウ、ペッパーくんの区別がつく?。だって、ショウの学校って制服じゃん。担任の先生が一番大変そうだし、なりすましとか簡単に出来そう。」と大笑いをしている美姫さん。

 

想像すると可笑しい。ペッパーくんが、39人いて、その中に僕がひとり…。異様な雰囲気だ。

 

「クラスメートも、言ってきた子もペッパーくんでは無いよ。変って言われたのは、考え方かな?みんなと違うんだって。」と僕が言うと、美姫さんが今度は眉をしかめて、不思議そうな顔をした。

 

そして「ショウのクラスメートって、クローン集団?。みんな同じなの?。それって、ものすごーくホラーなんだけど……。」と美姫さん。

 

「えっ?なんでホラーなの?」と僕が聞くと、「だって、みんな同じなんでしょ、右を向くのも左を向くのもアクビをするのも……。テストの点数も同じで、笑う時も泣く時も一緒なんでしょ。いや……、ありえないくらいにホラーなんだけど。ホラー以外の何者でもないよ。」と美姫さんが恐怖をかんじている。

 

僕、変わってて良かった。

 

おわり