fic-tion’s diary フィクションの創作日記

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短編小説:ありのママ【美姫さんvs植物】

美姫さんvs植物

「ショウ、植物に水をやってくれる?」と花の水替えをしていたお父さんが僕に言う。

今、ゲーム中だ。横を見ると美姫さんが、いつものごとくダラーッとソファーにのびている。

 

「今、手が離せないから、美姫さんに頼んで〜」と言うと「OK、こうちゃん。
私がするよ。」と美姫さんが、ソファーから起き上がる。それをみたお父さんが、慌てて「大丈夫。大丈夫。自分でするからいいよ。美姫さんはそこにいて。」と言う。

 

僕はしぶしぶゲームを中断し、鉢に水をあげる。

「ごめん。ごめん。ありがとう。」と花の水替えが終わったお父さんが、僕の所にやってくる。

 

「美姫さんにさせればいいじゃん!。」と僕は怒り気味でお父さんに言う。すると、首を横にふり「美姫さんに水やり頼んだら、植物が枯れちゃうよ。せっかく、ここまで大きくなったのに。」とお父さん。

 

「美姫さん、花に水もあげれないの?」と僕が言うと、お父さんが首を横にふり「美姫さん、植物を育てられない。」と言う。

 

「えっ?」と僕が聞き返すと「鉢植えの植物の水やりをお願いしたら、たまにしか水をあげないんだよ。植物は声を出してして教えてくれないから忘れるんだって。そして、忘れた分をまとめてあげるから気付いたら根が腐っててね……。まぁ、鉢植えの植物の管理は大変なのかも知れないけど、美姫さんが、庭に植えた木は育たないんだよ。ほら、家の庭にやけに小さい木があるだろう。あれ、美姫さんが植えたんだ。お父さんが植えた木は育つのにな。美姫さんが植えた木はなぜか育たないんだよ。」とお父さんが言う。

 

木が育たないって何だろう? 僕は、美姫さんが不思議でならない。

 

「美姫さん、どうして植物も育てられないの?」と僕が聞くと「ショウ、私は植物を育てられるよ。」と自慢げな美姫さん。

 

あれ?お父さんは、美姫さんは植物が育てられないって言っていたのに……と思い「何を育てられるの?」と僕が聞くと「雑草。」と、どや顔の美姫さん。

 

「はぁ?。雑草って育てる物なの?」と僕が聞くと「ショウ。雑草を育てるのはすごく大変なんだよ。」と美姫さんが言い「いい、雑草が生えてくるとみんな嫌がって抜きたくなるでしょ。」と美姫さんは続けた。

 

「そりゃ、雑草が生えてたら抜きたくなるよ。」と僕が言うと「私は、それを我慢できる。みんなが抜きたくなるのを私は我慢できるの。私には忍耐力があって、植物を自由にさせることができるんだよ。」と自慢げな美姫さん。

 

それって放置しているだけじゃないの?と僕は思う。

 

それから数日後、テレビを見ていると『植物を育てるのは、子どもを育てるのと似ています。』と放送されていた。それを見ていた美姫さんが「おおっ。やっぱり。私、ショウには雑草になってほしいからなぁ~。」と言う。

 

「えっ?僕って雑草なの?」と僕が聞くと「私が育ててられるんだから、雑草じゃない?。雑草って抜かれても生えてくるし、どこでも生えるし、とってもたくましいんだよ。踏まれても除草剤をまかれても生きていけるし。最高じゃん。」と嬉しそうな美姫さん。

 

うーん。いい事を言われているんだろうけど、なんか拒否したくなるのはなぜだ?。

 

おわり