神様って何でしょう

ありのママ 第82話

美姫さんvs神様

 

 

 

休みの日の朝、美姫さんが「こうちゃん。今日、お買い物で買ってきて欲しいものが有るんだけど……。」と言う。「それ、間違ってもいいもの?。」とお父さん。

 

「えーっ。間違われると困る。」と美姫さんが言うと「だったら、一緒に行けばいいじゃん。」とお父さん。

 

今日は、珍しく三人で買い物に出かける。

 

これは、家にこもりがちな美姫さんを外に出そうとお父さんの作戦でもあるんだけど。

今日は、そんなに人も多くなく美姫さん特有の人を避けるための歩き方もしなくてすんでいる。

 

難なく、美姫さんのお目当てのお菓子も見つかり、レジに並ぶと美姫さんが「ちょっとお手洗いに行ってくるね。」と言ってお手洗いに行く。

 

これ、いつもの事。

美姫さんは、レジに並ぶ事とその後の会計が大嫌い。いっつもお手洗いに逃げ込む。

 

すると僕たちが並んでいるレジで、会計をしていた男の人の怒鳴る声が聞こえ始めた。

他愛もない話をしながら、待っていた僕とお父さんを含め、そこ辺りにいた人がみんなその男の人の方をみる。

 

その男の人は、そんな事はお構いなしにレジ係の人にすごい剣幕で怒鳴る。

 

そこに「えーっ。まだ終わってないの?」と美姫さんが言いながら、お手洗いから美姫さんが帰ってきた。

 

ちょうどその時、その男の人が「お客様は神さまだろうが!!」と怒鳴った。

シーンとなる店内。

 

沈黙を破ったのは美姫さんだった。

 

「ショウ、神様なら文句言わなくない?。神はなんでも許してくれるじゃん。」と美姫さん。

その言葉にその場にいた人が、みんな僕たちの方を向いた。

 

注目されるとは思っていなかった僕は、とてもバツが悪くなる。

 

すると、ひとりのおばちゃんが、拍手をし始めた。

そして「そうよね。神様はあんな小さな文句は言わないわよね。」とそのおばちゃん。

拍手は、どんどんレジに並んでいる人たちに伝染していった。

 

その店内の雰囲気に、レジで文句を言っていた男性が、「もう、いい。」と、捨て台詞を残して帰っていった。拍手は一層大きくなっていった。

注目される美姫さん。美姫さんを見てみると完全に顔がひきつった状態で苦笑いをしていた。

 

車に戻ると「ねぇ、私なにか変な事言ったの?」と美姫さんが僕たちに言う。

「えっ?。美姫さんが『神様はなんでも許してくれる』って言ったでしょ。」とお父さんが言う。

「それが、何かおかしいの?」と不思議そうな美姫さん。

 

「意図もなく言ったの?」とお父さんが言うと、「意図?。だってあれはそういう意味でしょ。」と美姫さん。

 

その言葉に、お父さんと僕がビックリする。

 

「美姫さんは“お客様は神さまです”の意味を知っているの?」とお父さんが聞くと

「そんなのもちろん知ってるよ。“お客様は神さまだから、店側のミスは何でも許すのです。”  という意味じゃないの?だって、神様ってなんでもゆるしてくれるじゃん。だから、“お客さまは、神さまです” って書いてる店って、強気だなぁって。」と美姫さん。

 

美姫さんが考えるお店は、高圧的なお店ですこと。

 おわり

 

 

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