短編小説 ありのママ

真実はいつもひとつ?

第154話 ぼくvsお兄ちゃん

前回のお話の続きになります。

前回のお話はこちらから

「じゃぁ、私はもう一度寝るね。」と美姫さんはまたお昼寝タイムに入ってしまった。

僕はお兄ちゃんらしき人と二人きりになる。

「ショウ。大きくなったな~。」とお兄ちゃんが言う。

「うん。まあね。」と僕。

僕は一生懸命頭の中で考える。

お兄ちゃんって…お兄ちゃんって…いつ会ったっけ?

と僕がそんな事を考えていると

「3歳かな?4歳かな?」とお兄ちゃんがニコッと笑う。

えっ?僕が考えてるのわかるの?

「顔をみればな。何となく。ほら、兄弟だし。」とお兄ちゃん。

……意味わかんない。

凄く複雑な気持ちだ。

「怪しんでるの?」とニコニコしたお兄ちゃんが僕に言う。

「まぁ。だって知らなかったし。」と僕が言うと

「覚えてないのか?俺は、毎日ショウと心の中で遊んでたけどな。」とお兄ちゃんが言う。

……意味わかんない。

 「どこに行ってたの?」と僕が聞くと

「♪1丁目の角で
 気がついて 走る 
 用事は なんだっけ
 タッタッタッタッ

 サイトウユウも
 今度は  用事も忘れ
 三丁目の 八百屋へ
 タッタッタッタッタ

 二丁目の かどで
 気がついて 走る
 お金は たんまり
 タッタッタッタッタ♪*1

とお兄ちゃんは歌いだした。

八百屋に行ってたの?

……意味わかんない。

僕はやっぱり信用が出来なくなる。

お父さんが恋しくなる。

ってか、美姫さん起きようよ。

と僕の不安を他所に美姫さんはク~スカ寝ている。

するとお兄ちゃんが「じいちゃんとこに顔出してくる。」と言い、出掛けた。

僕は、全身の力が抜ける。

……もう、全然意味がわからない。

勉強どころじゃなくなった僕は、どんどん腹も立ってきて美姫さんを起こす。

「ねぇ、美姫さん。あの人本当にお兄ちゃんなの?」と僕が言うと

「そうだね。そうかもしれないし…そうじゃないかもしれない。」と寝ぼけ眼の美姫さんが言う。

「はっきりしてよ。」と僕が言うと

「うーん。はっきりしないのは国民性?」と美姫さん言い、また寝た。

……意味がわかんない。

いつもより早めにお父さんが帰ってきた。

隣にはお兄ちゃん。

「そこで、ユウに会ってな~。びっくりしたよ」とお父さん。

えっ?やっぱりお兄ちゃんだったんだ。

と僕の顔を見たお父さんがひと言。

「ショウは覚えてなかったのか?ショウが3歳ぐらいの時にユウは、家を出たからなぁ。ユウもたまには連絡くれればよかったのに。携帯持ってないから連絡のしようがなかったぞ。」とお父さん。

するとお兄ちゃんは「携帯持つと母ちゃんうるさいじゃん。*2だから、毎日、毎日、テレパシーを送ってたんだけど。もしかして気付かなかった?*3」と言う。

……何処かで聞いたことのあるセリフ。。。あっ、美姫さんだ。

「あっ、お土産。」とお兄ちゃんが僕たちにキュウリをくれた。

えっ!? ホントに八百屋!?

ありのママ第155話へ続く

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