短編小説 ありのママ

点検は、定期的に

第206話 美姫さんvs防災カバン

最近、災害が多い。

雨がたくさん降って川が増水したり、崖が崩れたり、地震だってしょっちゅう起こっている。

休みの日、お父さんが「防災カバンの中身の点検をするか。」と言った。

賞味期限やちゃんと使えるか…いざという時の為に点検は必要だ。

僕とお父さんは、防災カバンを取り出し、防災カバンの中身を取り出す。

…………………。

中身をひとつずつ取り出しているお父さんと僕の間に沈黙というか、戸惑いと言うか、微妙な空気が流れる。

どうしてかって?

前にお父さんと点検した時と中身が変わっていたからだ。

僕とお父さんは、同じことが頭に浮かんだんだろう。

顔をあげたと同時に目が合い「美姫さんか。」と声が出た。

それを聞いていたのか、美姫さんがノコノコと現れた。

そして、ニンマリとドヤ顔をし、「中身入れ替えておいたからね。」と言い、立ち去っていった。

防災カバンに入っていたペットボトルの水・乾パン・ラジオ・簡易用トイレ・日持ちのするお菓子・救急道具が、今までの僕たちの写真のデータとリゾートホテルの情報冊子に変わっていたからだ。

僕とお父さんは、中身をまた以前の物に戻した。

防災カバンの点検は、大切だ。

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