第176話 美姫さんvs反抗期
僕はいつものように学校から帰ってきてお兄ちゃんちに行く。
「そういえばね、美姫さん 自分のこと『思春期かも~』って言ってたよ。」とお兄ちゃんに僕は報告する。
「母さん、思春期終わってないのかもな。大人って感じもしないし。」とお兄ちゃんが笑う。
と急にお兄ちゃんが何か思い出したらしく
「ショウ。反抗期は気をつけろよ。」と僕に言った。
「いや、反抗もしたくなるよ。」と僕が言うと
「絶対に後悔するぞ。」とお兄ちゃん。
「何で?」と僕が聞くと
「母さん、兄ちゃんが反抗期の時に何したと思う?」とお兄ちゃん。
「何だろう?」僕は頭をかしげる。美姫さんの行動は予測がつかないから全くわからない。
「兄ちゃんがイライラしていると『あら、イライラしているのね。』って言ってな。『こうちゃんに甘いお菓子を買ってきてもらおうね。』って言ったり、イライラしているのをあたたかい眼差しで見ていたり……。」とお兄ちゃん。
えっ?恐怖。
「怖いよ。」と僕が言うと
「なんと、終いには『大丈夫。イヤだったんだね。』って言って抱きしめたんだぞ。」とお兄ちゃん。
「恐怖心しか生まれない。」と僕。
「そうだろう。母さん、どうしたんだろうって思ってたらな。急に『ユウ、ごめん。イライラ期とイヤイヤ期を間違えてた。』って言いだして。」とお兄ちゃん。
「イヤイヤ期?」と僕が聞くと
「そう、2歳ぐらいの子に起こるイヤイヤ期。」とお兄ちゃん。
開いた口が塞がらないってこんな事をいうのかな。
気をつけよう反抗期。
おしまい
※この短編小説ありのママは、ほぼフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。