短編小説:ありのママ【事実は小説よりも!?】

事実は小説よりも!?

 

テレビを見ていると美姫さんが、いきなり

「この話ってさ、【事実は小説より苦なり】だよね。」と言い出した。

 

「なにそれ。【事実は小説より苦なり】って、はじめて聞いた。」と僕が言うと「だって、ものすごい苦労の話だよ。こんなに苦労する人はあんまり見ないからね。」と美姫さん。

 

【事実は小説より苦なり】は、事実が小説よりも苦労している時に使う言葉らしい。

 

他の言葉も聞いてみると

 

・事実は小説よりもなり

 → 事実が小説よりも『えー!。』とびっくりする事

 

・事実は小説よりもおかし

 → 事実は小説よりも可笑しい事。

 

・事実は小説よりもじんわり

 → 事実が小説よりもじんわりとしている事

 

・事実は小説よりもなし

 → 事実は小説よりも悲しい事。

 

・事実は小説よりもげんなり

 → 事実は、小説よりもげんなりすること。

 

・事実は小説よりも怒(ど)なり

 → 事実は小説よりも頭にくること。

 

・事実は小説よりも楽(らく)なり

  → 事実は小説よりも楽な事

 

と、いろいろと教えてくれた。

「美姫さん『事実は小説よりも奇なり』で全部当てはまるよー」と僕がいうと、

「『きなり』は、喜びしかないでしょ。」と美姫さん。

 

僕は、美姫さんに『きなり』の字を書いてもらうと【喜なり】と書いた。

 

「もしかして、美姫さんずっと『奇なり』を『喜なり』って思ってたの?」と僕が聞くと「聞いたことしかなかったからね。」と美姫さん。

 

「それで、よく人と話が通じたね。」と僕が言うと

「人の感情って人それぞれだからね。私が怒っててもその人にとっては『喜ばしい事』かもしれないじゃん。」と美姫さん。

 

そうかもしれないけどね。それにしても良く考えたね。