第163話 忖度vs諫官
「ショウ。忖度はダメだよ。良い国は作れない。自分をいさめる人を近くに置かないと。私がショウの諫官(かんかん)になってあげるね。」と美姫さん。
また、意味の分からない事が始まった。僕、国を作るの?!
「諫官(かんかん)って何?」と僕が聞くと*1
「いさめてくれる人。」と美姫さん。
ん?忖度は美姫さんにして、いさめられるのは僕?
「美姫さんをいさめてあげるよ。」と僕が言うと
「老い先短い身ですから。」と美姫さんは言った。
こういう時だけ……と思うが、美姫さんに言ってもらちがあかないので、いつものように美姫さんの遊びに付き合う。
僕はゲームを始める。
すると美姫さんは、ネットで何か調べ始めた。
「あっ、そこは右だな。」とか「あっ、そこは真っ直ぐだよ」美姫さんが隣で僕に話しかける。
どうやら美姫さんは、僕がやっているゲームの攻略サイトを見ているようだ。
「あのさ、ゲームしてる横で種明かしを辞めてくれる?自分で考えてやるから楽しいのに。」と僕が言うと。
「過ちを指摘しているんだよ。諫官(かんかん)のお仕事。」と美姫さん。
ゲーム以外でやってね。
おしまい
※この短編小説ありのママは、ほぼフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
*1:諫官とは:中国の奏の時代に作られた 天子に忠告し、政治の得失について意見を述べるという職業(貞観政要 – Wikipediaより )