短編小説 ありのママ

画期的な片付け術?

第144話 美姫さんvs片付け

週末お父さんがクローゼットの片付けをしていた。

「美姫さん、美姫さんの服がたくさんあるんだけど要らないやつは処分してくれないかな」とお父さんが言うと

「あぁ、それ全部いるから取っといて~」と美姫さんがソファにゴロッとしたまま言う。

「だって、着てない服もたくさんあるよ。」とお父さん

「まだまだ着るから大丈夫」と1mmも動かず美姫さんは言う。

するとお父さんがクローゼットから美姫さんのスカートを持ってきた。

「若い頃に着てたのは、もう着れないだろう?」とお父さんは美姫さんにスカートを見せる。

美姫さんはちらっとそれを見て

「ショウが、着るかもしれないじゃん」と言った。

はぁ?

「美姫さん、ショウは男の子だぞ。スカートは履かないだろう」とお父さん。

すると美姫さんはスクッと起き上がりソファに座り

「こうちゃん、それ偏見。そんな事分からないじゃない。私は、ショウが女の子になってもいいと思ってるよ。ショウはショウだからね。」と美姫さんは言った。

「でもさ、そしたらショウは新しい服を買うんじゃないのか?」とお父さんも負けてはいない。

「こうちゃん、ファッションは繰り返されるんだよ。」と美姫さん。

「でもさ、もうクローゼットがパンパンなんだよ。片付けないと……」とお父さんは言い、少し何か考え始めた。

そして「ほら、終活って言葉もあるじゃないか。あんなに物がたくさんあったら、もしも僕たちに何かあった時にショウが大変なんだぞ。この前テレビでやってただろう。親の片づけをする子どもの大変さを」とお父さんは言った。

それを聞いて美姫さんが渋い顔をする。

そして、しばらくしてフフ♪と笑ったかと思うと

「じゃぁ、私の洋服全部こうちゃんにあげる。」と美姫さん。

「はぁ?」とお父さんがびっくりしている。

「私、こうちゃんが女装の趣味があっても構わないからね。だから、全部あげるからこうちゃんが整理してね。」と美姫さん。

「わかったよ。自分が着たい洋服だけ残しとくからね。」とお父さんは力の抜けた声で言い、クローゼットに行った。

今回は、美姫さんの勝ちかな?

次の日。

「私の服が一枚も無いじゃん!!」と大騒ぎする美姫さん。

お父さんが、フフフと笑ったのを僕は見逃さなかった。

「美姫さんの服は、自分の趣味じゃないから全部処分したよ。」と半分笑いながらお父さんが言う。

悔しがる美姫さん。

今回も、お父さんが勝った。

その後、お父さんが違う部屋に隠してた美姫さんの服を持ってきた。

自分の物は自分で片付けないと駄目だよ、美姫さん。

おしまい

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