短編小説 ありのママ

史上最強の名刺?!

第137話 美姫さんvs名刺

「ただいま~」

僕が学校から帰ってくるなり美姫さんが

「ショウ。見て見て~」と僕に寄ってきた。

いつもはソファーから動かないから、ちょっとビックリする。

「どうしたの?」と僕が聞くと

「名刺作ったの。」とにこやかな美姫さん。

名刺?あの働いている人が持っている物だよね……僕は思う。

「何の名刺?美姫さん、働いてないじゃん」と僕が言うと

「まぁ、失敬な。私ちゃんと働いてるじゃん。【よろず屋】で」

と美姫さんが言った。

あぁ…確かに。働いているって言ったら働いてるな。

「で、どんなの作ったの?」

と僕が名刺を見るとそこには、

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 と書かれていた。

「……なにこれ。会社名とかは分かるけど、【社内業績No1】って何?」と僕が聞くと「ほら、私、よろず屋の中じゃ、業績No1でしょ。」と美姫さん。

そうだろうね。よろず屋は美姫さんしか仕事する人いないじゃん。

「で、いつから美姫さんは【フェロー】って名前になったの?」と僕が言うと

「ほら、名前書くと個人情報をさらけだす事になるからね。肩書だけ書いたの。みんな肩書大好きでしょ。肩書さえあれば、名前なんていらないんじゃないの?!」と美姫さん。

「ふぅ~ん。大人って面白いね。でも【フェロー】と【CEO】にいつなったの?」と僕が聞くと

「一応、会社の人に聞いたら『OK』だったからね。」と美姫さん。

康夫さんに聞いたのね。

 お父さんが帰ってきてから、美姫さんはお父さんにも名刺を見せていた。

すると、お父さんがひと言

「肩書しか書いてない名刺を貰ったのは、はじめてだなぁ」 

「おぉっ。ノーベル賞モノの新発見の名刺ですね。研究してきた成果ですね。」と喜ぶ美姫さん。

肩書も名刺もわからないけど、ノーベル賞には程遠いと思うよ。

おしまい

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