短編小説:ありのママ【美姫さんvs冷房】

美姫さんvs冷房

 

僕の家は、キンキンに冷えている。ちょっと寒いぐらい。

でも、これはまだいい方。その理由は、こちらから 【美姫さんvs季節編】  

 

美姫さんは、暑いのが大嫌い。24時間冷房の中にいるから、どんどん温度は低くなる。

 

「美姫さん、あまり身体を冷やしすぎるのもいけないんだよ。」とお父さんが言う。

 

すると「何言ってるの、こうちゃん。一点物の美術品ってどうやって扱う?」と美姫さん。

 

「そりゃ、大切に扱うよ。一点ものなのだろう?!。」とお父さんが言うと

「こうちゃん、私って世界に一点しか無いんだよ。大切に扱わなくっちゃ、私が死んだらおしまいなんだよ。」と美姫さん。

 

まぁね、そりゃ一点ものだとは思うけどね……。

 

とお父さんが反撃にでた。

「じゃあ、美姫さんは冬は寒くてもいいんだね。」とお父さん。

 

美姫さんが、怪訝な顔をしている。

「えっ?何で?」と美姫さん。

 

「美術品は、一年中一定の温度で管理されてるんだよ。夏にひんやりだったら、冬には寒いけど、それでいい?」とお父さんが言った。

 

僕は思わず笑みが出てくる。~美姫さんが反撃にあってる~プププッ。

 

すると美姫さん「じゃあ、夏季限定の美術品でいい。」と言い出した。

 

夏季限定の美術品ってなんだ?

 

「美姫さんは、一点ものなんだろう?じゃあ、美姫さんが亡くなったら美姫さんがいなくなるから、絶滅危惧種だろう?」とお父さんが言った。

 

お父さんに反撃に合い、ちょっとご機嫌の悪い美姫さんがお父さんをギロリと睨む。

「絶滅危惧種でも大切に扱わないとダメじゃん。」と美姫さん。

 

「そう。大切に扱うんだよ。だから、美姫さんにあまり身体を冷やさないように言ってるんだよ。大事な絶滅危惧種の身体が壊れたら大変だろう?」とお父さん。

 

美姫さん、今日はお父さんの勝利だね。