小説蔵

知らないうちに

地球にみちのウイルスが侵入してきた。

感染経路は、全く持って不明。
大概が、接触も無く感染しているので空気を介してうつるのが、濃厚と思われた。

そのウイルスに罹患したものは、様々な症状をおこした。

発熱する者、咳が出る者、喉が痛い者、鼻詰まりをおこす者……等々、だが大半は無症状であった。

そして、そのウイルスの最大の特徴として、罹患しても本人に自覚が無い事がほとんどだった。
自覚が無いのでウイルスを撒き散らし、感染者は日に日に増加の一途をたどった。

感染者がどんどん増えるうちに新しい事も分かってきた。
このウイルスに免疫を持つ者の存在が明らかになったのだ。

これは、朗報と歓喜に湧いたが、それはすぐに悲哀に変わった。

なぜかって?

そのウイルスの名前は【道のウイルス】。
道の選択をしてくれるウイルスだ。このウイルスに罹患しない者は、地図が読めず、行き先の方向すらわからない、いわゆる“方向音痴”と呼ばれる者たちである。

※この話はフィクションです。

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