第174話 お兄ちゃんvs神さま2
★前回のあらすじ★
「お客様は神さまだろうが!」という神さまを見つけたお兄ちゃんが神さまに願い事をすると、違う形で叶ってしまった。
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「ただいま~。お兄ちゃんちに行ってくるね。」僕は学校から帰るとお兄ちゃんちに遊びに行く事が楽しみだ。
「ショウ、おかえり。ユウは、バイトに行っているらしいから家にいないよ。」と美姫さん。
お兄ちゃん、ついに働いたんだ。
「お兄ちゃん、働きだしたの?」と僕が聞くと
「いや、なんか『神さま探しするからとりあえず』って言ってたけど。」と美姫さん。
神さま探し?ちょっと嫌な胸騒ぎがする。
「お兄ちゃんのバイト先ってどこ?」と僕が聞くと
「そこのコンビニ。」と美姫さん。
神さまと会ったコンビニじゃん。
僕は仕方が無いので、家でお菓子を食べ宿題をする。
すると「こんにちは~」とお兄ちゃんがやってきた。
「あれ?バイトは?終わったの?」と僕が聞くと
「首になった。」とお兄ちゃん。
へっ?一日で?
「何したの。」と僕が聞くと
「いや~。レジに立っていたらな。『1番』とか『15番』とか番号を言ってくる人がいるんだよ。そんなさ、番号だけ言われても意味わからないだろ。だから、一発ギャグかな?と思ってさ。仕事の合間に一生懸命考えて、披露してたんだよ。そしたらさ、『番号言ったら、タバコを出すのが常識だろうが!!』って怒鳴る客がいたんだよ。だからさ、スペイン語で会話したら『なんだその態度は』って怒るから『スペイン語話せないんですか?スペイン語が話せるって僕の常識ですけど』って言ったら、物凄い怒りだしてな。。。それで首。」とあまり残念そうじゃないお兄ちゃん。
「そうだったんだ。大変だったね。」と僕が言うと
「まぁ、良かったよ。だってさ、コンビニで神さまを待ち伏せする為に働いたんだけど、神さまを取り逃がしちゃったんだよね。」と残念そうなお兄ちゃん。
「神さまに会ったの?」と僕
「いや、僕の顔をみたら逃げた。仕事中だったから、追いかけられなかった。ちゃんと考えてから行動しないといけないって事を改めて思い知らされた。」とものすごく残念そうなお兄ちゃん。
そして「やっぱ、彼は神さまだ。」とお兄ちゃんは期待のこもった表情をする。
「お兄ちゃんは、神さまに今度は何をお願いするの?」と僕が聞くと
「就職が見つかりますように」とニッコリとお兄ちゃん。
なんだろう。この胸のモヤモヤ感。
すると「ユウ。私にも紹介して!神さま。」と美姫さん。
オジさん。ご愁傷様です。
おしまい
※この短編小説ありのママは、フィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません