第224話 美姫さん VS PTA

明日は僕のPTAだ。
お父さんが仕事から家に帰ってくるなり「ショウ。ごめん。明日抜けれない仕事が入ったからPTAに行けないや。」と言ってきた。

「別にいいけど。」と僕。
「でもな、今回のPTAは大事な話をするらしいから行きたかったんだよね。」とお父さん。

すると美姫さんが「私、行ってもいいよ」と言い出した。

僕のPTAには必ずお父さんがくる。だって、美姫さんが行くと「PTAで先生が話していたのは日本語だった」って言うから。それでこの前の美姫さんが行きたがって行ったPTAでは、先生の話をお父さんが「録音してきて」って言ったのに録音し忘れて、おじいちゃんにPTAの資料を読んでもらい、それを録音していた。
案の定、お父さんにバレて怒られていたけど。

「ちゃんと、先生の話をきいてくるんだぞ。」とお父さん。
「こうちゃん、私の事いくつだと思っているの。それぐらい出来るよ。」とちょっと拗ねる美姫さん。
そしてお父さんが録音機器を渡そうとすると
「そんなものいらない」と美姫さんは言った。

ちょっと寒気が。。。でも、美姫さんも一応親だしな。

次の日、僕が学校に行くとき「ショウ。PTA行くからね~。また後でね」と美姫さん。

明日は嵐がくるのか?それまた地球の磁場が変わったのか。
まともな美姫さんにまた寒気がしてきた。

授業も終わり、続々と廊下に親が集まってきた。
僕はドキドキしながら廊下をチラチラみるとちゃんと美姫さんがいた。

僕と目が合い、相変わらず「べ~」と舌を出す。ここは通常運転なんだな。

帰りの会も終わりみんな帰っていったけど、僕は居残り、美姫さんがちゃんと先生の話を聞いているのか見ている事にした。

そこには、PTAの資料に何か必死にメモをしている美姫さんの姿があった。
僕は首をかしげる。多分、5度見ぐらいはしたとおもうが、やっぱり何かメモしている。

やれば出来るじゃん。
僕は心の中で美姫さんに拍手を送る。

PTAも終わり、僕と美姫さんは家路に向かう。

「美姫さん、凄いじゃん。ちゃんとメモ取ってたね」と僕がいうと「当り前じゃん。書かなきゃ忘れるからね。メモは大事だよ」と美姫さん。

家に帰りつくと美姫さんはこれ見よがしにテーブルにPTA資料を置いた。
僕は何をメモったのだろうとPTA資料を見る。

・ショウの名前が出てきた回数→0回
・一人称は「わたし」
・先生が瞬きした回数→756回
・先生が『えー』と言った回数→38回
・先生が『それでですね』と言った回数→5回
・50分のPTAで先生が話をしていた時間は32分
・先生の話で、笑いが起こった回数→0回

とメモが書いてあった。

美姫さんがお父さんに怒られたのは言うまでもない。