第218話 お兄ちゃんvs空気
「ショウ。空気って読めるか?」
家でまったりしていると、お兄ちゃんが、いきなり話しかけてきた。
「うん。まぁ。何となくは…」僕は答える。
「ショウ。スゴいな!!」お兄ちゃんは、歓喜の声をあげる。
「うん。まぁ。何となくだけどね」僕は、苦笑いする。
実際のところ、本当に読めているかはわからない。
「お兄ちゃんは、空気読めないの?」僕も聞いてみる
お兄ちゃんは、首を横に振りながら「全くわからない」と残念そうに言った。
僕は、ニヤリと笑い「お兄ちゃんも美姫さんの特訓受けなきゃだね」と言う。
するとお兄ちゃんは、さっきの歓喜の声よりも甲高い声をあげ
「なに?!母さんって、空気を読めるのか?凄いなぁ」
と目を輝かせる。
「…いや、読めるっていうより作る方」
と僕は苦笑いしながら言う。
「なに?!母さん、空気が作れるのか?!大天才じゃないか!!」と更に目を輝かせるお兄ちゃん。
…いや、凄くない。逆に迷惑。
僕は思う。
「じゃぁさ、今の空気ってどんな感じだ?」と目を輝かせたお兄ちゃん。
ーココの空気ね……
「居心地の良い感じ?」と僕が答える。
すると、お兄ちゃんが「いやいや、そんな事はどうでもいいんだよ。居心地とか自分で決めるし。で、どうなんだ?二酸化炭素が多いのか?それとも窒素の方が多いのか?もしかして、ウイルスまで見えたりするのか?」と食い入る様に僕に聞く。
……ゴメン。そっちの空気は読めないや。
おしまい