知る事は生きる事。

短編小説:ありのママ164話

美姫さんvs学び

 

今回の登場人物紹介

斉藤ショウ:小学六年生の男の子
美姫さん:ショウのお母さん

 

 

「美姫さん、何で色んな事を知る必要があると思う?」と僕が聞く。

「死人と間違われないためだよ。」と美姫さん。

はぁ?と僕がポカンとしていると

「知らぬは仏っていうでしょ。仏ってのは、死んだ人の事だから、知らない人は死んだ人って事。だから、みんな死人に間違われないために学んで知るんだよ。」と美姫さんが自慢気に話す。

僕が知ってるモノと全然違う。

 

「みんな死人に間違われないように学んでるの?学んでるようには見えない人もいるけど。」と僕が聞くと

 

「見えない学びも沢山あるんだよ。例えば、風邪をひいて熱が出るのも身体が学んでるからなんだよ。『ばい菌だぞ!やっつけろ!!』ってね。見た目に反応が無くてもちゃんと学んでる。息をしたり、心臓を動かしたり。呼吸も心臓も一定で動いている人なんていないでしょ。学んでるから、数が増えたりするんだよ。」と美姫さん。

 

そう言われればそんな気もするけど。

 

僕が知ってるのは【知らぬが仏】で、美姫さんが言っている意味とは全然違う。

いつも間違ってるのに自信満々なんだよね。

 

「美姫さんってさ、ちゃんと学校で勉強してきたの?」と僕が聞くと

「そんなの当たり前じゃん。小学校の時は外の景色を見ながら授業を聞いて、スキルアップのために中学校のころは睡眠学習に切り替えて、高校の頃は隣のクラスの先生の声が良かったから、隣のクラスの授業を聞いてた。」と美姫さんは言う。

 

はぁ?ほとんど授業聞いてないじゃん。

 

「それで何を学んだの?。」と僕が言うと

 

「美声の癒し力。」と笑顔で美姫さんは言った。

 

 

おしまい

 

 

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※この短編小説ありのママは、ほぼフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。