第95話 美姫さん流:感謝の手紙
今日はおばあちゃんの家に遊びに来ている。
学校で出されたひとつの宿題を持って。
学校で出された宿題っていうのは、【親への感謝の手紙】だ。
美姫さんにバレないようにおばあちゃんの家に来て書いている。
僕が、手紙を書こうと紙を広げるとおばあちゃんが、覗き込んできた。
「ショウ。宿題?」とおばあちゃんが聞いてきた。「親に感謝の手紙を書いてる。
」と僕が言うと、
おばあちゃんが「感謝の手紙?それなら、良いものがあるよ。」といい、奥の部屋に行き、すぐに戻ってきた。
「美姫が、書いた感謝の手紙。」とおばあちゃんは、一通の手紙を差し出した。
感謝の手紙
お父さん(まさおくん)、いつも朝早くから夜遅くまで私たち家族の為に働いてくれてありがとう。休みの日も公園に連れて行ってくれたり、いろいろな体験をさせてくれてありがとう。私は、お父さんを世界で一番に尊敬しています。これからもよろしくお願います。
お母さん(良子さん)、いつも私のために美味しい料理を作ってくれてありがとう。お母さんの料理は、世界中のどの料理よりも美味しいと思います。あと、いつも私の話を真剣に聞いてくれてありがとう。私はお母さんみたいな優しい母親になるのが、夢です。
※この手紙の登場人物はノンフィクションですが、手紙の内容はフィクションです。
参考文献:隣の井川くんの感謝の手紙
と書かれていた。
読んで、キョトンとする僕に「手紙にフィクションがあるのもビックリしたけど、参考文献ってね。」と大笑いするおばあちゃん。
確かに聞いたことも見たこともないぞ。
と、僕はフト、悪知恵が働き出す。
「おばあちゃん、それ貸して〜。」と僕は言い、その手紙を元に手紙を書いた。
感謝の手紙
お父さん、いつも朝早くから夜遅くまで僕たち家族の為に働いてくれてありがとう。休みの日も公園に連れて行ってくれたり、いろいろな体験をさせてくれてありがとう。僕は、お父さんを世界で一番に尊敬しています。これからもよろしくお願います。
お母さん(美姫さん)、いつも僕のために美味しい料理を作ってくれてありがとう。お母さんの料理は、世界中のどの料理よりも美味しいと思います。あと、いつも僕の話を真剣に聞いてくれてありがとう。僕はお母さんが、世界一のお母さんだと思っています。
※この手紙の登場人物はノンフィクションですが、この手紙の内容の一部はフィクションです。
参考文献:某人物の感謝の手紙
後日、僕の書いた(?)感謝の手紙を見て、大ウケする美姫さん。
「何この手紙。手紙がフィクションとか参考文献があるとか、天才的すぎ。ショウさっすが〜。某人物ってクラスの子?」と美姫さん。
美姫さん。それ自分で書いた手紙だからね。
おわり