我が生涯に 一片の悔いなし。

短編小説:ありのママ第169話

美姫さんvs勉強

 

今回の登場人物紹介

ショウ:小学六年生の男の子
美姫さん:ショウくんの母親

 

「美姫さんってさ、学校の授業聞いてなかったのによく大学まで行けたよね。」と僕。

 

「時は金なりっていうからね、時間をお金で買ったんだよ。」と美姫さん。

 

へっ?と僕は首を傾げる。

 

「いい、ショウ。小学校の授業時間が5647時間。中学校が3045時間。高校も3年だから中学校と変わらないとして3045時間とすると、合計は11737時間。だいたい12000時間を無駄にしてきたわけ。12000時間って言ったら、500日。でもね、この500日って学校の授業中の話だけ。家庭学習の時間はそれに入らないからね。その500日+αを有効に使ってきた人に真っ向勝負出来ると思う? 」 と美姫さん。

 

僕は首をよこにふる。

 

「そこで、500日+αの時間をお金で買うんだよ。みんなが500日+αかけて学んだ事をお金で要約してもらう。でもね、短期で覚えた事は頭に入らないから、お金を使った意味がない。私は意味のない時間にお金をかけたんだよ。勿体ないでしょう?」と美姫さん。

 

「うん。ちゃんと勉強している人には塾は必要ないって事?」と僕が聞くと

「ちゃんと勉強する人には最強だよ。」と美姫さん。

 

「でもさ、なんでそこまでして大学に行きたかった理由は?」と僕。

 

「大学って遊ぶ所だと思ってたからね。大手を振るって遊ぶとこ。」と美姫さん。

「大学入っても遊んだって事は無駄なお金を使って大学に入って、また無駄なお金を使ったの?」と僕が聞くと

 

「そのとおり。私みたいなのは、大学出てても意味がない。」と、何故かドヤ顔の美姫さん。

 

そして「死んだお金の使い方って何にもならないんだよね。使うなら生きたお金を使いたい。」と美姫さん。

 

「なんでそこまでわかっててしなかったの?」と僕が聞くと

「素直じゃ無かったからね。天は二物を与えずって言うでしょ。」と美姫さん。

「じゃあ、何を授かったの?」と僕が言うと

「私を見たらわかるでしょ。」と美姫さんがニヤリとした。

 

何も授からなかったんだね。

 

おしまい

 

 

 

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