真実が知りたいー


ヒロシは、もう何年もそう感じてきた。

ネット社会、進む技術。

でもヒロシの知りたい“感情”は分からない。

もしかしたら、書いてある文章とは裏腹の事を考えていたかもしれない。

表向きは笑っているが実は嫌だったのかも知れないし、書いてある通りの嬉しさの笑顔だったのかも知れない。

調べれば調べるほどにその人物を感じたいと思う。

本心はどうだったのか、表情を想像するしかできない。


「映像として記録されていれば……」ヒロシはポツリと溜息をつく。


そんな時にヒョンな事から、大学の同級生のウエダに会った。

「おぅ!元気だったか。」とウエダ。

「まぁ…な、ぼちぼち」とヒロシ。

「そういえば、お前、まだ調べているのか?」とウエダは言ってきた。

ウエダはヒロシが、熱心に調べ物をしてた事を覚えていたのだ。

「まぁ…な。」とヒロシ。

「その顔を見ると、まだまだ真実には辿り着いてないって事だな」とウエダ。

ヒロシは苦笑いをする。

と、ウエダが

「ちょっといいか。」と小声で話してきた。

そして「そのだな。ちょっと小耳に挟んだ事があって。」とウエダは言い

「やっぱりやめとこう。」話し始めたくせに言葉を濁すウエダ。

「なんだよ。ハッキリ言えよ」ヒロシ

「でもな」とウエダは言いにくそうに苦笑いをする。

「言いかけられる方が、気になるだろう。」とヒロシ。

ウエダは苦笑いをしたまま「まだ、噂程度の話だぞ。俺も試したことがないから」といい、顔を真顔にして「過去に行けるらしい。」と小声で言った。

「はぁ?」今度はヒロシが苦笑いする番だ。

ウエダが何を言っているのか……ちょっと理解しがたい。

「ほら、Edgeってインターネットのwebブラウザーがあるだろう。」とウエダ

「あぁ、聞いたことがある。」とヒロシ。

いくつかあるwebブラウザーのひとつだったはずだ。

「Edgeのブラウザーで天気を検索する。するとな、18時間前に行けるんだ。」とウエダ。

ヒロシはキョトンとした顔をして首をかしげる。

「ちょっと言っている意味がわからないぞ。」

「今、Edgeのサイトにバグが起こっているらしくてな。天気を検索すると18時間前にタイムリープ出来るらしいんだよ。」とウエダ。

タイムリープ?

ヒロシはビックリする。でも、有り得ない事でも無いかもしれない。

ウエダが嘘を言っているとも思えなかった。

「まぁ、タイプリープ出来たとして、どうやって戻ってくるんだ?」とヒロシが聞くと

「今度は、chromeで天気を検索するんだよ。そしたら、現在に戻って来れる。なぁ、面白いだろう。」とウエダ。

まぁ、面白い話ではある。

「18時間前にしか行けないのか?」とヒロシが聞くと

「1回で行けるのは18時間前らしい。」とウエダ。

ヒロシは考える。

ー戻って来なくてまたEdgeで天気を見れば18時間前に行ける。それを何度も繰り返すことで結構な過去に行けるという事かもしれないー

ヒロシのその様子をみてウエダが「ひとつだけ気をつけないといけない事は、“過去を変えない事”だそうだ。過去が変わると戻ってこれなくなるらしい。」と言った。

ー面白い。まぁ、やってみる価値はあるのかもしれない。

そうすれば、ヒロシの知りたいこともこの目で確かめる事が出来る。

長い事つっかえていた胸のつかえがとれたような気持ちになった。

「ありがとさん。お前のおかげでようやく気持ちが晴れそうだよ。」とヒロシはウエダに礼を言った。

家に帰り、早速やってみる。

Edgeで天気を調べる。

周りの様子を見る

―変わっていないようだー

そうだろう。18時間前なんてわかりっこない。

ヒロシはそのまままた天気を調べる。

これで36時間前だ。

周りを見るも何も変わらない。

―確認しようがないのか?

部屋の中をキョロキョロする。

一昨日だと確信できるものが何かないものだろうかー

その時、テレビが目に入った。

ーそうだ。テレビだー

ヒロシはテレビを付ける。

そこには見覚えのあるテレビ番組が流れていた。

ーこれは、一昨日見たテレビだー

ヒロシはニヤリと笑う。感動さえ覚える。

大成功だ。

ヒロシは、がぜんやる気になりドンドン過去にさかのぼっていった。

どんどんどんどん、自分の知りたい過去へ

Edgeで天気を検索しまくる。

過去に飛んでいる意識はない。どんな原理化わからないが、テレビの放送もどんどんと古くなっていっている事は確かだ。

ヒロシは嬉しくなり、どんどん過去にさかのぼっていく。

すると、1000回を超えた所だろうか急にEdgeが消えた。

「えっ?」ヒロシは慌てる。

何が起こった?さらなるバグか?

chromeを検索する。chromeは見つかった。

chromeで天気を検索する。

そしてEdgeに戻るとEdgeは存在していた。

天気を検索する。

するとまた、Edgeが消えた。

もう一度同じことを繰り返してみる。

chromeで戻った時にはEdgeは存在するが、それ以上は出てこなかった。

「Edgeでは、ここまでしか過去に行けないのか……」ヒロシは、日付を確認する。

2015年の7月14日だった。

「まだ、足りないんだよな……」ヒロシは落胆する。

ヒロシが行きたい過去にはまだ足りない。

「もう一度、ウエダに聞いてみるか。」ヒロシはchromeで元の時代に戻る。

後日、ヒロシはウエダに連絡をした。

「あの話、本当だったんだな。ビックリしたよ。で、1つ聞きたいんだけど、他の方法って知っているか?」と聞いた。

電話の先で、黙るウエダ。

そして「行き方知ってはいるが、戻り方がよくわからないんだよ。もどってこれるらしいんだがな。」と言った。

「いや、戻り方なんて行ってからでもどうにかなるだろう。で、どうやったらいけるんだ?」とヒロシ。

行けると分かるとうずうずしてくる。

「まぁ、行けるというか……過去が覗けるらしいんだ。」とウエダ。

「覗けるだけでも嬉しいよ。で、方法は?」せかすヒロシ。

「メールでURLを送るから。でも、ホントにどうやって帰ってきているかわからないんだぞ。大丈夫か?」とウエダ。

「大丈夫だよ。戻って来れるなら問題ない。」とヒロシ。

それから、ヒロシにウエダからURLが届いた。

ヒロシはすぐにそのURLのアドレスを開く。

ひとつのサイトに飛んだ。

そこには

【何年前に行きたいですか?】と質問がかかれていた。

すぐ下のところに数字を入れて“go”をクリックすればいいらしい。

ヒロシは思いを寄せる。

ー行きたい時代ー

ふと、頭に子どもの頃に行きたかった恐竜時代がよぎる。

「2億年前ぐらいかな……」とヒロシは空欄の所に2億年前と入れる。

ワクワクドキドキが止まらない。

恐竜がこの目で見られるのか。

大きく深呼吸をし“go”ボタンを押す。

ヒロシの心には気になっていた人物の事など微塵も残っていなかった。

そして、ヒロシはベニクラゲになった。

なにも考えず、ただ海の中を漂うだけ。

そう2億年間。

ヒロシは2億年間海の中を漂い、現代まで覗き見れるのだ。

おしまい

※この話はフィクションです。
※このお話を作るにあたり、
 つくもさん:ブログ https://tsukumogatari.hatenablog.com/
 こてっちゃんさん:ブログhttps://www.bar-kottechan.work/
 将さん:ブログhttps://masas-record-storage-container.com/category/
 にタイムリープ設定の提供を頂きました。
 ありがとうございました。