fic-tion’s diary 

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白いモジャモジャの髪+ヒゲ≠サンタクロース

短編小説:ありのママ第156話①

お兄ちゃんの職探し①

 

今回の登場人物紹介

ショウ:小学六年生の男の子
ユウ(お兄ちゃん):ショウのお兄ちゃん
美姫さん:ショウくんの母親。よろず屋をしている。
お父さん(こうちゃん):ショウくんの父親。
康夫さん:よろず屋で美姫さんと一緒に働く人。

 

 

「おう~。ショウ」と学校の帰り道、聞き覚えのある声がする。

お兄ちゃんだ。と、僕はお兄ちゃんを見て、ギョッとする。

髪の毛が真っ白のモジャモジャになっていたからだ。

「お兄ちゃん。その頭、どうしたの?」と僕が聞くと

「いい仕事を見つけてな。その準備。」とお兄ちゃんが言う。

もうすぐクリスマスだから、サンタかなんかのバイトかなと僕は思う。

「サンタのバイト?黒髪でも大丈夫じゃない?」と僕が言うと

「サンタじゃないよ。ジャムおじさん。今からまだ準備があるんだ。じゃぁなショウ。」とお兄ちゃんは、行ってしまった。

……ジャムおじさん? 背筋がゾゾゾとしてきた。

風邪かな?僕は家路をいそぐ。

「ただいま~」と家に帰りつくと美姫さんが

「ショウ、聞いて。ジャムおじさんが見つかった」と言った。*1

ん???

僕がキョトンとしていると

 

「康夫さんのとこにね、【ジャムおじさんです。面接希望】って連絡がきたんだって。」と美姫さん。

 

ん???

何か嫌な予感がしてくる。

 

「それで、いつ面接なの?」と僕が聞くと

「明日。いや~、楽しみだなぁ~。ジャムおじさん。これで、ガッポガッポだわ」と美姫さんは満面の笑みを浮かべる。

 

僕はお父さんが帰ってきてから、お父さんに話しをしてみる。

「お兄ちゃんがね、ジャムおじさんになるって言ってたんだけど、よろず屋の仕事じゃないよね。」と僕。

お兄ちゃんに直接聞けばいいんだけど、実はお兄ちゃん『一度出た家に戻れない。自分のペースで生活したい』って言って僕んちの隣の隣のアパートに住んでる。

 

「康夫さんから聞いた話によれば、ジャムおじさんですって言ってきた人は、サイトウって名前らしいけど、【妻糖】って漢字らしく康夫さんが驚いてたよ。だからユウじゃないんじゃないか?!」とお父さん。

 

違うサイトウさんか……僕はなんだかがっかりする。

 

 

次の日、学校から帰ってくると

「ショウ、聞いて~。」と美姫さん。

「どうしたの?」僕が言う。

 

「ジャムおじさん、ユウだったの。」と残念そうな美姫さん。

僕は昨日の事なんかすっかりわすれてた。

「はぁ?お兄ちゃんだったの?」とビックリした僕が聞くと

「そう。髪の毛真っ白のモジャモジャで付け髭つけたユウだった。一応、面接したんだけど、ユウが何て言ったと思う?『僕の好きな言葉に【やらずに後悔するよりもやって後悔】があるんです。ぜひ、貴女でジャムおじさんの手術を試させてください。』って言うんだよ。」と美姫さんがプリプリしながら言う。

 

お兄ちゃん、ナイス!

 

「でも、昨日お父さんに聞いたら【妻糖】って名前って。」と僕が言うと

「棲む(すむ)の右側に砂糖(さとう)の糖。とらえ方の問題だよね。済む(すむ)の右側に佐藤(さとう)の藤なら【斉藤】でしょ」と美姫さん。

 

とらえ方って難しい~。

 

 

 

おしまい

 

 

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※この短編小説ありのママは、ほぼフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。