短編小説 ありのママ

友達ならあたりまえ?

第156話 お兄ちゃんの職探しpartⅡ

学校から帰ってきて、家でまったりしているとお兄ちゃんがやってきた。

「新聞見せて。」とお兄ちゃんは言い、新聞を広げ何やら探している。

ペラペラとめくり「あっ。あった。」と言い、何かの記事を熱心に見始めた。

僕が横からのぞき込むとそこには【首相動静】と書いてあった。

「何を見てるの?」と僕が聞くと

「新しい就職先だよ。この前は、『あなたはジャムおじさんではありません。』って断られたからね。」とお兄ちゃん。

あぁ、美姫さんのとこね。

「それで、【首相動静】と就職と何の関係が?」 と僕が聞く。

「ショウは知らないのか? 今、就職するなら総理に忖度が出来る所なんだぞ。総理を庇うと栄転されるし、総理とお友達だと悪いことしてもチャラにしてくれるし、総理さえマークしとけば、安泰なんだよ。マスコミにも報道されないし。」とお兄ちゃん。

ふぅーん。そうなんだ。

「で、何するの?」と僕が聞く。

「官僚ってやつになればいいらしいんだけど、何せ中卒だからな。試験が受けられないらしい。だから、総理の行く先行く先で待ち伏せして顔を売ろうかなと思って。」とお兄ちゃん。

すると、美姫さんが「それじゃ駄目だよ。総理から忖度してもらえる人にならないと。」と言だした。

しばらく間があったあと、お兄ちゃんが

「忖度してもらえる人か。。。母さんサンキュー。」と言い「じゃぁ、それ探してみるわ~」と帰っていった。

「ユウもまだまだだね」と美姫さんがポツリと言った。

「忖度してもらえる人ってどんな人?」と僕が聞くと

「お隣の国の大統領かな。」と美姫さんはフフフと笑った。

おしまい

※この短編小説ありのママは、ほぼフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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